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[和倉ユース大会]大津が3位決定戦で清水桜が丘に逆転勝ち。全国上位相手に戦える力と課題確認し、インハイへ

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後半11分、大津高はU-17日本代表候補FW小林俊瑛が決勝ヘッド

[7.31 和倉ユース大会3位決定戦 清水桜が丘高 1-2 大津高 七尾市城山陸上競技場]

 31日、第9回和倉ユース大会3位決定戦で清水桜が丘高(静岡)と大津高(熊本)が対戦し、大津が2-1で逆転勝ちした。

 公立の強豪校同士の戦いとなった3位決定戦は前半5分、清水桜が丘が先制点を奪う。右ハイサイドでFW今野京輔(3年)が粘り、中央へ折り返す。これを受けたFW大瀧秀一(3年)が丁寧に1タッチで落とすと、斜めの動きで走り込んできたMF落合文主将(3年)が右足で先制点を叩き込んだ。

 清水桜が丘の鮮やかな崩しによって失点した大津だが、この後は完全にボールを支配。DFラインからボールを繋ぎ、MF一村聖連(3年)や右WB日高華杜(3年)のスピードも活用した攻撃も交えて清水桜が丘を揺さぶる。

 そして前半21分、日高の左ロングスローからDF川副泰樹(3年)がポスト直撃の左足シュート。跳ね返りを川副が右足でゴールへねじ込んだ。大津は後半も、「(今大会は)いつもプレミアでやっているよりは全然余裕持ってボール握ることができた」というU-18日本代表候補MF森田大智主将(3年)を中心にボールを支配。清水桜が丘は思うようにボールを奪い取ることができず、守勢の展開が続いたが、気持ちの込もったプレーを見せるCB勝村聖南(3年)やCB清野伊吹(3年)中心にゴールを許さない。

 それでも大津は、2年生のエースストライカーが勝ち越し点。後半11分、FW川口敦史(3年)のFKを投入直後のU-17日本代表候補FW小林俊瑛(2年)がスペースに走り込んで頭で合わせる。これがGKの指先を抜けてゴール右隅へ。大津は小林のファーストタッチ弾で逆転に成功した。

 大津はこの後も、小林がポスト直撃の右足シュートを放つなど再三相手ゴールに迫る。「きょうも決められるチャンスがあった中で最後の精度が今大会低かった」(森田)ことは反省点。それでも、素早い奪い返しと相手選手も驚く巧さによってボールを保持し続け、2-1で勝った。

 プレミアリーグWESTで暫定3位と健闘する大津は今大会、予選リーグ初戦で同EAST首位の青森山田高(青森)に0-1で惜敗。また準決勝では流通経済大柏高(千葉)にPK戦で敗れた。それでも、全国上位の両校相手に接戦を演じ、またプレミアリーグ勢の市立船橋高(千葉)やプリンスリーグ関西首位の履正社高(大阪)、そして清水桜が丘や東山高(京都)という各地の強豪校に勝利。山城朋大監督は「プレミアで3位につけていますけれども、(全国で)どれくらいの立ち位置かはずっと疑問に思ってやっていたので、彼らも山田と流経と勝負する力がついていると実感したと思う」と頷く。

 今大会でテストした3バックも安定。ただし、青森山田や流経大柏との対戦では試合の入りの部分で圧倒されたり、決定力の部分などでの差があったことも確かだ。指揮官はインターハイへ向けて「最後勝つチームになること」にこだわる考え。大黒柱の森田は、「インターハイで流経も山田にもリベンジできたら。大津高校は、全国制覇したことがないので達成したい」を誓った。

 新型コロナウイルス感染予防のため、インターハイまでは対外試合実施が難しい状況。だが、山城監督が「(和倉ユース大会で)良い指標を示してもらったので色々なチームに。そこを見ながらあと2週間頑張っていけるかなと思います」と語ったように、全員で課題改善に取り組み、少しでも進化してインターハイを迎える。

(取材・文 吉田太郎)
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