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U-24日本vsU-24スペイン 試合前日の森保一監督会見要旨

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U-24日本代表を率いる森保一監督

 U-24日本代表を率いる森保一監督は2日、翌3日に埼玉スタジアムで開催される東京五輪・準決勝U-24スペイン代表戦の公式会見に出席した。

 以下、会見要旨

森保一監督
「まずは明日のスペイン戦、五輪のメダルをかけた戦いに挑めることを非常に嬉しく思っています。明日の試合も間違いなく難しく厳しい試合になると思うが、選手たちにはこれまでやってきたことを自信を持って、そしてまた明日のメダルをかけた戦いに挑めることを誇りに思って、試合に臨んでほしいと思う。明日に向けては非常に難しい試合になると思うが、これまでチームでやってきた通り、目の前の一戦に最善の準備をするということ、そして選手たちには自分たちが持っている力を、試合の中で思い切って発揮してほしいと思う」

――勝てば初の決勝進出ということで、新たな歴史を作ることになるが、そこへの思いや意気込みは。
「この五輪に臨むにあたって、金メダルを目標に掲げ、チームとして活動してきた。そして、もし決勝に進めば今の質問の通り、歴史を変えるということにつながると思っている。ただ、目標は非常に大切なことだけど、選手たちはこれまでやってきたこと、チームとして勝ち進んでこられたことについては、選手たちが目の前の一戦に、先ほども言った通り、最善の準備をするということ、一人ひとりが自分のコンディションを少しでもベストな状態にするということ。チームとして戦うイメージを共有して最善の準備をするということ、そして試合の中では、相手あっての試合だが、相手のことはリスペクトしつつ、自分たちが持っているものを、流れの中で、状況判断をしながらベストを尽くしていく。思い切って戦うということをしてきてくれたからこそ、勝ち進んできたと思うので、目標にとらわれず、まず明日の試合に向けて自分たちのベストが発揮できるようにということを、選手たちには思い切って実践してもらいたい。結果は後付けで、考えてできる選手の集まりだと思うので、何度も繰り返しますが、選手たちには思い切ってプレーしてほしいと思う」

――明日のメンバーについて。中2日で5試合目と疲労も溜まっていると思うが、出し惜しみするような試合でもないと思う。ある程度、準々決勝のメンバーがベースとなるか。
「必然的に出場停止の冨安(健洋)のところを代えないといけないと思っている。明日の選手起用については、まだ決定しているわけではないが、これまでの戦いをベースに、疲労等々を考慮して、明日のメンバーを決めたい」

――ニュージーランド戦の後に言及していたが、チームの成長で手応えを感じているところは。
「選手たちと共有して大会に臨んだのは、チームとして成長しながら結果を出そうということを共有してきた。我々が目標に向かって勝ち進んでいくには、必ずその成長が必要になってくると共有しながら戦ってきた。一戦一戦、戦いの経験を積み上げて、成長することができてきたと思っている。 どこが成長かというと、まずは全体的に試合に出ている選手、残念ながら試合の出場機会を得られていない選手も含めて、チーム全体で1試合1試合、五輪の戦いを通して確実にレベルアップ、成長してこられている。個々の部分では、一人ひとりキャラクター、特長が違うので、すべて説明することはできないが、間違いなく個の部分でも成長している。ニュージーランド戦ですごく強く感じたこと、この大会で選手たちの成長だったり、たくましさを感じさせてもらっているのは、理想と現実の中で、理想とする、目標とするプレーであったり、戦い方があって試合に臨みながらも、現実的に自分たちがやろうとすることが理想でない試合の流れがある中で、選手たちが耐えながら、我慢強く試合を進めながら、ピッチ内で修正能力を発揮してくれて、試合の流れを引き戻す、そして勝利という結果につなげていく、その修正能力、対応能力はすごくレベルアップ、成長してきたと思っている」

――前回のスペイン戦で日本のポゼッション率は35%くらいだった。どのようなゲームプランを選手に伝えたいか。
「明日の対戦相手、スペインは本当に世界のトップトップの力があるチームだと思う。スペインと対戦する相手、世界的に見てもなかなかポゼッション率がスペインより高いチームはないのではないかというくらいの力を持っている。明日の試合も間違いなく難しい試合になると思うが、まずは我々も理想とするところをしっかり持ち、攻撃も守備もしっかりとやるというところを持って、選手たちには試合に臨んでほしい。前回の親善試合でポゼッション率、仰られる通り、我々のこれまでの試合の中ではかなり低い数字になったのは我々も把握している。もちろんポゼッション率はもっと高くて、ボールを握りながら試合をしたいというところはあるが、大切な部分は、相手にボールを握られても、そこで粘り強く、我慢強く、相手のやりたいことを食い止めながら、攻撃につなげていくというところで、そこの攻撃につなげていく部分で、ボールを保持することを全く放棄して、クリアだけに逃げるとか、もちろん試合の流れによってはクリアで流れを切るのは大切だと思うが、前回の親善試合の時にも選手たちは守備から攻撃の意識がしっかりしていて、ボールを我々が相手から奪うことができたら、しっかりプレス回避をする、そして攻撃につなげていくところの意識は、前回の親善試合でも持ってくれていたと思う。そこがあれば、相手との力関係と流れの中でポゼッション率をもっと上げることができる。それは明日の試合の中で、流れの中で自然と決まってくると思う。ただ、先ほども言ったとおり、ポゼッション率が悪いことイコール我々がボールを握る意思がないということにはならないと思うので、そこは選手たちにもこれまでずっと要求してきていて、我々が、日本が世界で勝っていくためには、もちろん我慢強く守備はしなければいけないが、ボールを握る時間を長くして、より高い確率で相手のゴールに迫っていく、試合の結果も得られるようにというのは、選手たちにも過去のデータも見てもらいながら、これまでもトライしてきた。明日の試合でも攻守ともに目標、理想という、この先のことをイメージしながらも、今の現実のところで戦ってもらえればなというふうに思う」

(取材・文 折戸岳彦)
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