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トップ昇格内定の鹿島ユースDF溝口修平、悔しさ糧に「誰よりもやって行って」「成長角度を変えて」“世代で一番の左SBに”

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鹿島アントラーズユースの左SB溝口修平は悔しさを糧に“世代で一番の左SB”に

[8.2 日本クラブユース選手権U-18大会準決勝 鹿島ユース 0-1 札幌U-18 正田醬油スタジアム群馬]

「成長角度を変える」きっかけの試合にする。鹿島アントラーズユースは、トップチーム昇格を決めているDF溝口修平(3年=鹿島アントラーズノルテJrユース出身)が左SBとして先発出場。トップチームの練習でも手応えを感じているというビルドアップや、オーバーラップでチームの攻撃に厚みを持たせていた。

 前半、鹿島ユースはチャンスを作った一方、全体的にやや縦へ急いでしまう展開に。後半は「サイド高い位置を取ってから仕掛けて行こうというチームの共通意識があって、そういう気持ちで入った後半でした」という。

 だが7分、溝口はやや厳しい印象の判定でイエローカード。「自分自身、これまでカードをもらうことがあまりなくて、特にこういった舞台でそれを踏まえてのプレーができなかった」という左SBは、わずか3分後に2枚目のイエローカードを受けてしまう。相手のカウンター攻撃を阻止するためだったが、「そこでイエローもらって退場になって止めるよりも、一つ我慢して戻ってというプレーの方が判断としては良かった」と唇を噛んだ。

 リーダー格の一人を欠いたチームは、その後10人で奮闘。溝口は「本当に一人少ない中でシステム代わりながらみんな凄く走ってくれたと思うし、あまりやったことのないポジションでのプレーをしてくれた選手もいて、戦う気持ちは見ていて凄く伝わってきましたし、自分が『もっとできたな』と悔しい気持ちです」。トップへ昇格する自分が、チームに迷惑をかけてしまったという申し訳ない気持ちと自分に対する不甲斐なさ。だが、プロの世界での戦いが控えているDFは、堪えながら言葉を続けた。

「自分、トップチーム昇格が決まってから、それまで出せていたプレーが今出せていない状況で……。ただ、この試合で出た課題というのを人一倍取り組んで、ここにいる誰よりもやって行って、チームを引っ張って行ける存在になっていきたいと思います」と誓った。柳澤敦監督もこの試合を糧にすることを期待。溝口は守備の予測や準備のところから改善し、トップチームで戦える、そして世代ナンバー1の左SBへ進化する。

「自分の中でこの世代の一番の左SBになるという目標を掲げていて、まだまだ自分は足りないと思いますし、遠い存在だと思いますけれども、(鳥栖トップチームで活躍する高校生DF)中野伸哉選手だったり越えていかないと自分の目標とするところには到達できないと思う。ここで立ち止まるのではなく、成長角度を変えてやっていきたいと思います」

 チームに一つでも多くの白星をもたらすことも目標だ。現在8位のプリンスリーグ関東から鹿島ユースをプレミアリーグへ導き、恩返しする。

(取材・文 吉田太郎)
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