beacon

誰より打ち込んできたシュートで得点量産も「まだまだ」。FW福田師王はどんな相手でも決め続け、神村学園を勝たせる

このエントリーをはてなブックマークに追加

神村学園高のU-18日本代表候補FW福田師王はどんな相手でも決め続ける

 誰よりもシュートを打ち込んできた。それが今、結果として現れて来ている。神村学園高(鹿児島)FW福田師王(2年=神村学園中出身)は今年、日本高校選抜、U-17日本代表候補、そして1歳年上のU-18日本代表候補にも選出。デンソーカップチャレンジで関西大学選抜から2ゴールを決め、関東大学選抜との練習試合で2試合連続ゴールを決めるなど、そこでも結果を残してきた。

 今年はプリンスリーグ九州の6試合で9得点を叩き出して得点ランキング首位。尚志高(福島)のU-20日本代表候補CBチェイス・アンリ(3年)がインターハイで対戦したい相手として名を挙げるなど、全国のDFからターゲットにされて来ている。その2年生ストライカーは有力な得点王候補だ。

 福田は鹿屋市の高山FCに所属していた小学4年生時に初めて鹿児島県トレセン入り。当時は「全然守備の方でした」というように、県トレではCBやSB、チームでもボランチやCBでプレーしていたという。だからこそ、現在FWとして活躍している自分自身に「びっくりしています」。

 飛躍のきっかけは神村学園中時代にあった。1年時にFWへコンバート。「最初は普通にやって点決めること、チームのみんなが笑っている顔とかが嬉しくて」。2年時には自転車で転倒するなど怪我が続き、試合出場は限られていた。だが、3年時に台頭して1歳上の国体メンバーに抜擢されると、本大会では優勝候補の千葉県から2ゴールを挙げて名を上げ、全日本ユース(U-15)選手権での活躍などを経て昨年2月にU-17日本代表へ初選出されている。

 中学3年の夏頃から続けている取り組みが、現在の福田を際立たせている。「(当時、)シュート以外何もなかったので。でも、点決めれば上行けると思った」という福田は、毎日シュートを打ち続けた。当初は横へ持ち出してからシュート。そして、クロスからのヘッドなど徐々にバリエーションを増やし、現在は動きながらのシュートやドリブルシュートを打ち込んでいる。

「毎日100本は打っています」。多い時は倍以上打ち込んできた成果によって得られたものがある。「(得点感覚は)自分にしかないものじゃないですか。(身についた理由は)シュート練習しているからじゃないですか。チームの誰よりもシュート練習とかしているので」。中学時代はまだ身体も小さく、DF背後へ抜け出してからのゴールが中心。だが、現在は代名詞の一つになったヘッドや1タッチシュート、コントロールショット、パワーショットなど多彩なパターンで得点できるようになっている。

 課題として取り組んだ臀部強化の効果もあって、「(競り合いでは)高校年代だったらあんま負ける気しないです」。ただし、国内でも自分よりヘディングの強いDFや、足の速い相手がいる。どんな相手でも点を取れるように、またより上の世代の代表チームに入れるように、福田は満足することなくレベルアップを目指している。

「まだまだですね。今、日本代表に選んでもらって嬉しく思うんですけれども、世界見れば自分たちの世代はチャンピオンズリーグとか出ている。もっと点数決めてチームを勝たせないといけないよ、と(U-18日本代表監督の)大岩さんからも言われました。もっと結果残して上に行きたいし、今まで支えてくれた人に恩返ししたいです」。またゴールを連発しても、「まだまだ」というだろう。福田師王は、どんな相手でも決め続けるだけ。まずは、チームの全国制覇のため、目標のU-20日本代表入りのためにも、インターハイで圧倒的な結果を残す。

Sponsored by PUMA

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2021

TOP