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待望の全国舞台で日本一へ。九州屈指のMF森田大智主将は実力示し、大津の仲間に恩返しを

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大津高のU-18日本代表候補MF森田大智主将。スキルの高さと判断力で違いを生み出す

 入学直後のプレミアリーグ開幕戦で先発デビューし、いきなり先制ゴール。今回のインターハイは、U-16、U-17、U-18日本代表候補に選出されてきた大津高(熊本)MF森田大智(3年=FCKマリーゴールドAMAKUSA U15出身)にとって、待望の全国大会出場だ。

 1年時のインターハイはメンバー入りしたものの、初戦で青森山田高(青森)に0-1で敗戦。森田はフィールドメンバーで唯一出番が無かった。昨年はインターハイが開催されず、選手権は2年連続で“まさかの”予選敗退。今年、名門の主将を務めるMFは、特別な思いを持ってインターハイを迎えている。

「ワクワクする気持ちです。(全国に)出れていれば、というのは凄くあったので、もどかしいという気持ちがありました。同じ年の選手が選手権とかで有名になって、負けているなと思ったりする部分はあったんですけれども、代表行って(自分は)有名な選手にも負けていないと思った。初の全国なので(自分の力を)表現して、結果を残せれば良い」

 その森田は今年、プレー面が明らかに変化している。以前から技術力の高さ、判断力の高さには定評があったが、今年は強豪相手でも違いを創出するレベルに。以前は当たり負けすることも多かったものの、現在は簡単にはボールを失わず、激しい攻防戦の中で試合を決定づけるような仕事をしてのけている。

「まだ細いですけれども、今の段階では身体で負けるというのは感じない。当たられないようにプレーすることも一番取り組んできました。自分がボール取られていたら話にならない。キツイ時にキープしてそこから攻撃。最後のところに係わっていければ良い」

 本人も認めるように、まだまだの部分があることも確かだが、球際での激しさが増し、誰よりもボールへの執着心を感じさせるようなプレー。U-18日本代表候補でも、「前の推進力やテクニックは出せた」と振り返る。

 注目MFはインターハイで自分の力を示すと同時に、チームへ恩返しする意気込みだ。昨年から10番を背負うが、当時はどこか先輩に任せっきりになっていた部分があった。今年は、インターハイ予選前に怪我で離脱も。キャプテンとしてチームを引っ張らなければならない自分が、チームメートに助けられた。

「戻ったら、みんな凄く上手くなっていて、頼もしかった。(復帰した後も自分は)すぐ足攣ったり良いパフォーマンスできていない中で助けてもらった」。7月の時点ではまだ万全の状態ではなかった。それでも、コンディションが高まってくれば、「結果を出せる」と確信している。

 今年、公立校の大津がプレミアリーグWESTで暫定3位と大健闘。「自分たちの学年はマジメがウリで頑張るチーム。積み重ねの結果、ここまで来れていると思う」と主将は胸を張る。その仲間たちと戦うインターハイの目標は「優勝です。その中でも自分の価値を上げていきたい」ときっぱり。注目MF森田は待望の全国大会で自分の力を証明し、マジメなチームメートたちと一つ一つ白星を重ねて恩師・平岡和徳総監督や山城朋大監督を胴上げする。

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(取材・文 吉田太郎)
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