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3歳でサッカー始め、父と磨いたロングキック。大津の“心臓MF薬師田澪

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大津高の“心臓”。長身ボランチ、MF薬師田澪

 幼い頃からこだわって磨いてきたキックをチームのために発揮し、全国制覇を果たす――。大津高(熊本)MF薬師田澪(3年=宇城市立小川中出身)はインターハイ熊本県予選決勝で先制点。ボランチの位置からゴール前に飛び出して決めたゴールでチームを勢いづけると、スルーパスで3点目をアシストするなど全国切符獲得に大きく貢献した。

 大津はプレミアリーグWESTで暫定3位。前期最終戦となったC大阪U-18戦も「守備からやる、と徹底してやれたのでセカンドボールを拾えたり、(ゴールを)決められた」(薬師田)。4-1で勝利し、7月末の和倉ユース大会も3位。その中で薬師田はボールに多く絡み、どんどんさばくことやインターセプト、中盤・ゴール前でのヘディングの部分でも存在感を放っている。

 薬師田がサッカーを始めたのは、周りの選手たちよりも早い。父・忠浩さんが率いていたジュニアチーム、河江FCにわずか3歳で入団した。チームのトレーニング以外にも、「小学校3年生までは、お父さんと公民館行ってひたすらボール蹴っていました」。室内の施設でパスや&コントロール、ロングキックを繰り返し行ってきた。

 父の「相当厳しかったです(苦笑)」という指導が、自分の今を作り上げてくれたと薬師田は実感している。「今、ロングボールを蹴れるのはお父さんのおかげ」と感謝。その後、uki-c.fcなどを経て宇城市立小川中へ進学した薬師田は、2年時にSBやCBとして地元・熊本で開催された全国中学校大会に出場する。

 忠浩さんも小川中2年時に全国中学校大会に出場し、3位。小川中には親子揃って記念碑に名が刻まれているという。一つ父と同じ結果を残した薬師田は、熊本県トレセンも経験。長身ボランチとして少しずつ名を上げたMFは、練習の強度など成長できる環境を求めて大津へ進学した。

 中学時代にJFAアカデミー宇城とFCKマリーゴールドAMAKUSA U15に所属していたMF森田大智主将(3年)は、小川中時代の同級生。その仲間たちと切磋琢磨し、今年は大津にとって欠かせない存在になっている。

 父は今もアドバイスをくれるのだという。「ビデオ取って送ってくれて、『ここダメだぞとかアドバイスしてくれたりして。お母さんもですけれど、本当に欠かせない存在です」。インターハイ予選決勝の活躍で一つ家族を喜ばせることができたが、薬師田は自分のためにも、支えてくれた家族のためにもまだまだ活躍する意気込みだ。

 インターハイの目標は、大津が14年大会で記録した準優勝を超えて日本一。「ミドルシュート決めたり、ヘディング決めたりして結果を出したい。インターハイ優勝して親に恩返ししたい」。チームの“心臓”を担う大型ボランチは、父と磨いたパス&コントロール、ロングキックを全国でも発揮し、次は大津の歴史にその名を刻む。

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(取材・文 吉田太郎)
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