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[Balcom BMW CUP]「1試合平均2点以上、1失点以下」の目標クリア。U-17日本代表が3戦全勝で頂点に

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U-17日本代表が3戦全勝で頂点に

[8.11 2021 Balcom BMW CUP最終日 広島ユース 1-2 U-17日本代表 広島一球]

 広島県のサッカーレベルアップを目指す招待大会「HiFA平和記念 2021 Balcom BMW CUP 広島ユースサッカー」は、11日に最終日を行った。サンフレッチェ広島ユースとU-17日本代表の一戦は、FW南野遥海(G大阪ユース、2年)の2ゴールでU-17日本代表が勝利した。この結果、U-17日本代表は3戦全勝。参加4チームの頂点に立った。

 04年生まれ以降の“04ジャパン”は昨年度から定期的に候補合宿を行ってきたが、大会参加は昨年9月に行ったSBSカップのみだったため、今大会は貴重な舞台。開催中止となったAFC U-16選手権を含め、アジアや世界を見据えた戦いをイメージして大会に挑んだ。

 第1戦の鳥栖U-18戦、第2戦の広島県高校選抜戦ともに2-0で勝利。「アジアも世界も優勝に絡むチームは、1試合平均2点以上、1失点以下という成績を残している。どの試合でも、目標をクリアしていくのが目標」(森山佳郎監督)を達成し、最終戦の広島ユース戦を迎えた。

 しかし、「うちが引き分けでも優勝が決まるシチュエーションに対し、広島ユースは勝たなければいけない状況で凄く難しかった」(森山監督)。序盤から相手のビルドアップを捕まえきれなかったこともあり、守備の時間が続いた。ボールを持っても、前日の3-6-1から4-4-2にシステム変更し、U-17日本代表に合わせてきた広島ユースのプレスに苦しみ、「受けてから何かをする時間を与えてもらえなかった」(森山監督)。

 前から来る相手を攻略するには、空いた背後のスペースを突くのが効果的だが、前の2試合でテンポよくボールを繋げていたため、思い切ったプレーができない。だが、前半途中から最終ラインのMF坂井駿也(鳥栖U-18、2年)らによる長いボールから、左のMF北野颯太(C大阪U-18、2年)、右のDF矢口駿太郎(千葉U-18、2年)が仕掛ける回数が増え始めた。

 そうした中で、試合が動いたのは、前半37分。中盤でボールを持ったMF安部大晴(長崎U-18、2年)がDF裏にスルーパスを通すと、ゴール前に抜け出した南野が倒され、PKを獲得。自らが決めて、U-17日本代表が先制した。

 後半4分にもU-17日本代表に見せ場が訪れ、右CKから安部がドンピシャのヘディングシュートを放ったが、広島ユースGK波多野崇史(3年)のビッグセーブに阻まれた。そこからは再び、広島のペースへ。後半15分には入ったばかりの相手MF笠木優寿(2年)の仕掛けはクリアしたものの、クリアボールをMF池田柚生(3年)に拾われ、最後はFW棚田遼(3年)に決められた。

 同点に追いつかれたものの、U-17日本代表の選手に動揺は見られない。失点直後の19分には、坂井のロングフィードから南野がゴール前に抜け出し、左足で勝ち越しゴールをマーク。残り10分を切ってからは、再び同点ゴールを狙った広島ユースに押し込まれ続けたが、MF大関友翔(川崎U-18、2年)が「ゴール前で身体を張る部分は、全員で徹底できていた。最後の所で良いようにシュートを打たせなければ失点は阻止できると共通意識を持てていた」と胸を張ったように、守備の綻びを見せない。怪我人の影響で本職ボランチながらも、CBに入った坂井とMF下田栄祐(鹿島ユース、2年)を中心に身体を張ってシュートをブロック。打たれても、GK春名竜聖(C大阪U-18、2年)のファインセーブで逃げ切った。

 3連勝で終えたU-17日本代表は、大会初参加で初優勝。掲げていた1試合平均2得点、0.5失点という目標も達成したが、それ以上に得た収穫は大きい。「質などサッカー的な部分はまだ課題があるけど、あれだけ選手が一生懸命やって喜んでくれたのは大きかった。長い期間、選手が一緒にいれたので、チームとしてのまとまりも生まれた」と話すのは、森山監督だ。平和都市・広島で得たプラス材料を活かして、04ジャパンは今後も世界で羽ばたく準備を進めていく。

(取材・文 森田将義)

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