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方針が一転…Jリーグ、浦和vs湘南の担当MCに無期限割り当て停止処分「善管注意義務に反する」

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 Jリーグは12日、6月20日に行われたJ1第18節の浦和レッズ湘南ベルマーレ戦を担当していた高林敏夫マッチコミッショナーに対し、無期限の割り当て停止処分を下したと発表した。この一戦では、試合エントリー資格を持たない浦和GK鈴木彩艶が出場しており、浦和は0-3での負け扱いとなっていた。

 マッチコミッショナーは公式戦の試合前、メンバー提出用紙とエントリー可能者リストを照合し、エントリー可能者が試合に出場することをチェックするという役割を定められている。しかし、浦和対湘南戦では無資格者が公式戦に出場する形となり、Jリーグは「マッチコミッショナーとしての善管注意義務に反する」とし、処分を決めた。

 一方、Jリーグの規定では「エントリー資格を有する者をエントリーする義務は各クラブの固有の義務」としており、マッチコミッショナーは「エントリー無資格者がエントリーしたことについての結果責任を負うものではありません」と指摘。マッチコミッショナーの善管注意義務違反により、クラブの義務違反が免責されるものではないとした。

 鈴木のエントリー義務違反の発端は、Jリーグ公式の新型コロナウイルス検査に伴うもの。コロナ禍の公式戦開催において、Jリーグはエントリー選手に対して公式検査を受けることを義務付けているが、鈴木はU-24日本代表に招集されていたため受検できなかった。そうした場合、JFAによるPCR検査の結果をもってJリーグに申請することで、エントリー資格の認定を得ることが可能だったが、「クラブの認識不足」が原因でこれを怠っていたという。

 その結果、浦和は湘南戦に2-3で敗れていたが、試合結果が0-3に変更となった。一方で個人記録の修正はなく、浦和FWキャスパー・ユンカーに記録されていた2ゴールは抹消されず。また鈴木本人への処分も免除された。浦和はその後、日本サッカー協会(JFA)に不服申し立てを行ったが、却下されたという。

 Jリーグは浦和への処分が決まった当初、「正しくエントリーする義務はクラブにある一方で、マッチコミッショナーに義務はない」とし、マッチコミッショナーへの処分を行わない方針を見せていた。だが、今回の決定では方針が一転した。

 Jリーグは「今後同様の事態が生じないよう、以下の内容をはじめとする改善策を講じてまいります。なお、今季の公式試合において同様のエントリー不備事案が発生していないかの調査を進めていることを申し添えます」としつつ、今後の対応について次のように説明している。

①マッチコミッショナーに対する研修の実施
「エントリー資格の確認方法を含めたマッチコミッショナーの業務を再確認するための研修を既に実施済ですが、今後も継続的に研修を開催し特にエントリーチェック方法について周知徹底を図って参ります」

②クラブに対する注意喚起
「マッチコミッショナーへのメンバー提出用紙、エントリー可能者リストを提出する際、『エントリー可能者リスト』の対象期間に当該試合日が含まれていること、エントリーする選手、スタッフの氏名が記載されていることを必ず確認するよう、周知徹底を図って参ります」

③エントリー関連書類の保管義務
「事後的にエントリーが適切に行われたことをスムーズかつ確実に確認できるようにするため、クラブに対してエントリー時に使用する各種書面の保管義務を課すことといたします」

④エントリーを含む出場資格確認方法の見直し
「中長期的な課題として、エントリーを含む出場資格確認方法を抜本的に見直し、ヒューマンエラーが発生しにくい仕組みの構築を検討してまいります」

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