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青森山田は初戦から隙なし被シュートゼロ、長崎総科大附に3発快勝

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後半4分、青森山田高FW名須川真光が先制ゴール(写真協力=『高校サッカー年鑑』)

[8.14 インターハイ1回戦 長崎総合科学大附高 0-3 青森山田高 テクノポート福井総合公園スタジアム]

 令和3年度全国高校総体(インターハイ)「輝け君の汗と涙 北信越総体2021」サッカー競技(福井)が14日に福井県で開幕し、優勝候補筆頭の青森山田高(青森)は3-0で長崎総合科学大附高(長崎)を破り、2回戦に駒を進めた。

 前日から続く降雨の影響が心配されたが、テクノポート福井総合公園スタジアムの深い芝の状態は良好。ぬかるむことなくボールが走るピッチで両チームが対峙した。試合は、立ち上がりから、青森山田が押し込んだ。前半2分、相手GKが足で処理したボールを右サイドのMF藤森颯太(3年)が奪うと、素早く中央へ供給し、U-20日本代表候補MF松木玖生(3年)が左足でシュート。長崎総科大附のGK亀井一起(2年)が戻りながら防いで難を逃れた。

 さらに前半4分、青森山田は左DF多久島良紀(2年)のロングスローを起点に、こぼれ球をU-18日本代表候補MF宇野禅斗(3年)がミドルシュートで襲い掛かった。長崎総科大附は、3トップの両ウイングとなる右の西岡紫音(2年)、左の芦高佑(3年)を起点にサイドからカウンターを狙ったが、堅ろうな青森山田の守備を破れず、シュートまで持ち込めなかった。

 青森山田は10分ほどで試合の主導権を確実に掌握すると、前半15分にロングスローのこぼれからFW渡邊星来(3年)がクロスバー直撃のシュート。前半30分にもロングスローの競り合いからパスをつないで左MF田澤夢積(3年)がシュート。前半終了間際に中央のボール奪取から右サイドを経由して松木のミドルと立て続けにゴールを狙った。ただし、前半は無得点。サイドから素早く中央へ入れてシュートという形はできていたが、やや一辺倒で単調に陥り、次第に長崎総科大附が対応に慣れていった。

 試合が動いたのは、後半早々だった。ハーフタイムで攻撃を修正した青森山田は、サイドを起点とした攻撃に中央、逆サイドが連動。試合再開50秒で松木が惜しいシュートを放つと、後半4分にはFW渡邊がボール奪取から左サイドを素早く突破してクロス。FW名須川真光(3年)がスライディングシュートで合わせて先制点をもぎ取った。

 後半12分にはFW渡邊がエンドライン際に残ったボールをコントロールし、鋭角からシュート。ポストに嫌われたが、迫力のあるアタックを見せた。後半15分には右から中央の松木へパスを通し、フィニッシュと思わせて左へ振って田澤がシュートを放つなど、続けてゴールに襲い掛かった。一方の長崎総科大附は、MF別府史雅(3年)が経由点となり、サイドチェンジなどで突破口を開こうとしたが、前線が孤立し、フィニッシュに持ち込めなかった。

 勝敗が決定的になったのは、後半23分。青森山田は右からのクロスを松木が頭で合わせようとする。手前で相手DFに阻まれたが、こぼれ球を宇野が右足ボレーでゴールへたたき込み、貴重な追加点を奪った。

 後半28分には左CKが跳ね返された後、FW名須川がニアでボールを収め、クロスを上げ直し「ふわりとしたボールで滞空時間があったので入り直して、自分のタイミングでジャンプした。強いシュートを打てて良かった」というDF多久島が強烈なヘディングでゴールへたたき込んで、ダメ押しの3点目を奪った。

 青森山田は、その後も選手交代で主力を休ませつつ、隙のない試合を展開。スコア3対0、シュート数13対0という堂々の結果で勝利を収めた。もちろん、まだスタートを切っただけで慢心はない。MF松木は、主将として「前半は相手のサッカーに合わせ過ぎて、蹴り過ぎた。グラウンドコンディションが良いので、ボールを動かそうと話をした。前の連係が良くなり、得点もできたので良かった」と試合を総括したが、自身のプレーについては「(好機があったのに)得点ができなかった」と勝って緩むどころか怒りを隠さず、厳しく評価した。青森山田は、16日の2回戦で初芝橋本高(和歌山)と対戦する。

(取材・文 平野貴也)
●【特設】高校総体2021

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