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[MOM3550]瀬戸内MF長谷川大貴(3年)_「ゴールへの道が開いた」決勝ミドル!!

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後半6分、瀬戸内高MF長谷川大貴が決勝ゴール。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.14 インターハイ1回戦 相洋高0-1瀬戸内高 三国運動公園人工芝グラウンド]

 瀬戸内高(広島)の田中健次郎監督は、自分たちの「つなぐサッカー」には「中学生がやってみたいなと感じる楽しいサッカーをしたい」という思いが込められてると明かしてくれた。近年、広島県の選手が県外に流出してしまう傾向にあるという。その流れを食い止める意味でも、一人でも多くの中学生に「瀬戸内でサッカーがしたい」と思ってもらいたいというのだ。

「自分が好きなつなぐサッカーを、瀬戸内が目指しているのを聞いて入学しようと思いました」と語るのは背番号7のMF長谷川大貴(3年=シーガル広島Jrユース出身)だ。しかし、相洋高(神奈川2)との初戦では前半、その形が見られなかった。「自分たちの気持ちが前半では見せられなかったので、こんなところで負けたら意味がない、全員でハードワークして点を取ろうと」気持ちも引き締めて臨んだ後半。その5分にチャンスはやってきた。

「FW佐野竜眞(3年)にボールが出た時“こぼれてきたらいいな”と思っていたらマイナスに落としてくれたので。シュートで終わろうと狙ったら、ちょうどゴールへの道が開いていました」。思い切り右足を振り抜くと、相手DFの間をすり抜けるようなグラウンダーのボールがファーサイドへ突き刺さった。

「点を取りたいと思っていたので、自分のゴールで流れを変えられてよかったです」。その後も終始ペースを握り、最後は猛攻を仕掛ける相洋のパワープレーも守り切って勝利。相洋の綱島陽介監督も「後半立ち上がりの失点だけは痛かった」と語っていた。

 値千金のゴールを奪った長谷川だが、瀬戸内のサッカーを見せられたとは思っていない。「チームとしても個人としてももっと、まだまだ見せたい。全然足りないです」。勝負事では、特にトーナメントでは結果がまず求められる。それは非常に難しいことだが、それと同等に自分たちの練習の成果を本番で出し切ることも難しい。次の試合でやりたいサッカーを披露できるか。長谷川大貴は、勝ってもなお飢えている。

(取材・文 伊藤亮)
●【特設】高校総体2021

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