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[MOM739]大阪体育大GK泉森涼太(4年)_「泉森なら大丈夫」仲間にもたらす安心感

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泉森がPK戦で2本ストップした

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.26 総理大臣杯2回戦 大阪体育大0-0(PK5-4)東海学園大]

 PK戦に突入しても、大阪体育大の選手たちに不安な表情は見られない。

「関西選手権でも彼がシュートストップしてくれたから、ここまで来られているので皆が信頼している。キッカーは自分の集中できるし、泉森がいるおかげでPK戦を前向きに戦うことができた」

 そう話すのは、福島充コーチ。1点が奪えず苦しい展開となった一戦を物に出来たのは、最後尾で構えるGK泉森涼太(4年=鹿児島城西高)がいたからだ。

 決定機の数では大阪体育大が上回ったが、危ない場面がなかったわけではない。「言わなくても動いてくれる」と泉森が信頼を寄せる主将のDF小川大空(4年=阪南大高)を中心とした守備陣がピンチになりそうな場面で身体を張ってブロックし続けたのが、大きかった。

 ただ、泉森の貢献度も大きく、相手が狙っていたFW福田望久斗](4年=中央学院高)とMF{{榎本啓吾(4年=千葉U-18)を走らせるスペースへのボールに対し、泉森は常に先に反応。ゴール前での局面でも、タイミングよくシュートコースを消すことで失点を回避していく。

「DFラインが高い位置をとってオフサイドを獲りに行くのが多い。そこをケアするのが僕の仕事で、入学当初から意識してきた部分。大学に入ってから予測とか判断の質は上がっていると思う」

 最大の見せ場が訪れたのは延長戦を経て、迎えたPK戦。7月に行われた関西選手権の準々決勝の関西大でも2本のキックをストップし、総理大臣杯行きを決めているため、チームメイトからも「泉森なら大丈夫」という安心感が漂う。

 泉森自身も「PKは高校の時から練習してきたので、自信はある。今日もチームが身体を張って守ってくれたので、PKは自分が止めて勝たせないといけないと思っていた」と振り返る。「相手の軸足の向きなどを見て予測している」と話す泉森は1人目と6人目のキックを見事に的中させ、ヒーローとなったが、「120分通して全員が身体を張って守ってくれたから、PK戦で勝てた。勝てたのはチームメイトのおかげ」と謙虚にコメントした。

「練習も一番最初にグラウンドに出て、自分でウォーミングアップをやっている。普段からの集中力を含めて、彼を第1キーパーとして信頼しています」。福島コーチの言葉通り、人間性も魅力で日を増すごとに試合での存在感は高まっているが、泉森は現状に満足していない。「フィールド上の監督という感じで、フィールドの選手としっかりコミュニケーションをとってコーチングできる選手が目標。また、最終的に止める所はしっかり止めて、フィードで攻撃にも貢献したい」。

 今大会の目標である無失点優勝に向け、2回戦までは順調に来ている。「大会に来られていない元太さん(松尾元太監督)に良い報告をするためにも、僕たちが頑張らなければいけない。目標は日本一。今日は苦しい試合でしたけど勝てたのは良かった。また次もしっかり良い準備をして勝ちたい」。そう意気込む守護神がいる限り、大体大はそう簡単には負けない。

(取材・文 森田将義)

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