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中国の壁破れず…5人制サッカー日本代表の17歳最年少・園部優月は悔し涙「もっと自分に実力があれば」

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3試合すべてに出場したチーム最年少FW園部優月

[8.31 東京パラリンピックGL第3節 日本0-2中国 青海]

 17歳のチーム最年少は涙を落とした。5人制サッカー(ブラインドサッカー)日本代表は、準決勝進出を懸けたグループリーグ最終節で中国と対戦。しかし、アジア最強の壁を破れずに0-2で敗れた。試合後、FW園部優月は敗戦に悔しさをにじませた。

 日本はグループリーグ2試合を終えて1勝1敗で2位。2つのグループから上位2チームが準決勝に上がれる中で、グループAはすでにブラジルが決定済み。残る1枠を懸けて、同勝ち点の3位中国と対戦した。

 得失点差で上回っているため、引き分け以上で準決勝進出が決定していた。しかし、中国は世界ランク5位でアジア最高順位。12位の日本は序盤から苦しめられ、相手の強力なシュート2本を食らう。終盤には攻勢を強めたが、ゴールネットを揺らすことはできなかった。園部は交代1人目として、FW黒田智成と何度も入れ替わる。前線で積極性を見せたが、ヒーローになることはできなかった。

 園部は試合後、涙を流す。声を震わせながら悔しい気持ちを語った。

「引き分け以上というよりも、中国には絶対に勝って準決勝に行くっていうのはチーム全員が思っていた。今まで決められてなかったので、自分が出たときには、1点でも決めて流れを持ってこようとしていたんですけど、自分がボールを触れた時間はそんなになかった。もっと自分に実力があれば、また変わっていたのかなって思う」

 ここまでグループリーグ3試合すべてに途中出場という形ながらピッチに出た。期待を寄せられる将来のエース候補だが、自身は「(課題は)全部です」と口にする。「体力もフィジカルも、自分の個人技術、全部を伸ばさないと。あの短時間でも、ボールを一回でも持ったときに、その一回で点を取れるくらい自分がレベルアップしないといけない」。若き才能は、初の大舞台に立った喜びよりも「ワンチャンスを取れなかったっていうところが悔しい」と敗れた悔しさが上回っていた。

 向上心で気持ちは昂る。「絶対にレベルアップして、次の大会で中国を倒したいです。絶対に負けたくないです」。パラリンピックの経験はたしかな成長につながっている。

「この経験は自分のためにもなったし、自信にもなった。戦えるっていうことも自分でわかったので、さらに筋力とか上げればもっと戦えるようになるし、もっと勝てるようになるのかなって思う」

「そういう面でも、今回の経験は絶対につなげる。100%自分のためになった」

 日本はグループAで3位以下が決定。グループBと合わせた8チームの中で、5位以下の順位決定戦へと回る。囲み取材が終わっても、園部は立ち去り際に「次は絶対に勝つので」とポツリ。記念の東京パラリンピックではなく、大きな成長の糧になりそうだ。

(取材・文 石川祐介)
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