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OB・“古橋クラス”のボディバランス、スプリント…興國高MF荒川永遠が山形内定!

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モンテディオ山形加入が内定した興國高MF荒川永遠(左)

 モンテディオ山形は31日、興國高(大阪)MF荒川永遠(3年=セレッソ大阪和歌山U-15出身)の22年シーズン加入内定を発表した。興國の現3年生のJリーグ加入は川崎F内定のFW永長鷹虎(3年)に続き、2人目。荒川は「まずプロになれたことは良かったんですけれども、山形で試合に出場して、しっかりこだわって結果を残すこと、レギュラーを掴むことが目標です。山形のサッカーする環境は抜群。ごはん屋さんや温泉とか街も最高です。自分は前の選手なので、得点に絡むところだったり、チャンスメークも最近自分の特長としてあるので、ゴールに直結するプレーはサポーターの皆さんには見てもらいたいです」と意気込みを語った。
 
 主にCFやトップ下、左右のウイング、そしてインサイドハーフ、ボランチでもプレー可能な荒川は、“大阪のタレント軍団”興國でインターハイ予選前まで控え。だが、内野智章監督が「インターハイでグッと来ました。オン・ザ・ボールの極面で少しずつ力みがなくなって、樺山(諒乃介=現山形)のように脱力してドリブル・パス・シュートができるようになりました」と振り返るように、チーム事情もあって出場機会を増やした予選時期、その後のプリンスリーグ関西を通して飛躍し、ボディバランスやスプリント、ドリブル突破、得点力といった力のアベレージの高さ、常に動き続けてポジションを取り続けられる力を評価する山形から練習参加のオファーを受けたという。

 内野監督は「荒川の特長はまず何と言っても独特のボディバランスだと思います!」と言い切る。そして、「フットボールにおける様々な動作の中でバランスが崩れることやスピードが落ちることが極めて少ない。これは(セルティックでブレイク中の)古橋(亨梧)や樺山クラスだと思います。50mは6.2なんで古橋よりは遅いですけれど、スプリント回数も古橋クラスです」と加えた。

 興國は週1日、独自のボールコーディネーショントレーニングを実施。どんな状態でもボールを自在にコントロールし、プレーのスピードを落とさない力を身に着けている。荒川のボディバランスの良さはもちろん努力もあるが、「古橋、樺山クラスには努力だけではなれない」と内野監督。中学時代は主にボランチで大柄な選手に挑む“小さな潰し屋”だったという荒川は天性の能力に加え、「小さいからこそ」の努力でプロから評価される武器に変えた。

 荒川は8月に1週間の練習参加。それまで、関東の大学進学を目指していたというFWは「ここで決めてやる、人生変えてやる」の意気込みで山形での一週間に臨んだ。「(興國の先輩MF)樺山くんの力でチームに馴染めたというのがありました。めっちゃ溶け込みました。自分は同級生の子とか、先輩とか、後輩もプロの練習参加に行っていて、練習参加した時にどうしたら良いのか話は聞いとったりして、どの選手も言うのが、『コミュニケーションを取ることは凄く大事や』と言っていたので、そこは意識していました」。クラブからまるで“ずっといるみたい”と言われるほどチームに溶け込んだ荒川は、練習試合でゴールを決めるなどプレーでも、人間性の部分でも評価を勝ち取った。

 セレッソ大阪和歌山U-15からU-18チームへ昇格できなかった荒川。先行していた選手たちを追い抜けたことを「そこが一番嬉しいです」と喜ぶ。ただし、自分の現在地を理解しているからこそ慢心は全く無い。プロで活躍するためにはまだまだやらなければならないことがたくさんある。ここからプロ入りするまでの半年で、技術力・判断力・戦術理解力も地道に磨き続けてプロ入りする。
 
「プレースタイルは運動量や勤勉性、『コイツいたら助かる』という選手にはなりたいですね」と荒川。将来は先輩FW古橋のように海外でプレーすることが目標の荒川が、「最高」の街、山形から羽ばたく。

(取材・文 吉田太郎)
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