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いよいよW杯最終予選が開幕…森保監督「夢をかけた戦いならではの緊張感がある」

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日本代表森保一監督

 日本代表森保一監督が1日、カタールW杯アジア最終予選・オマーン戦(2日・パナスタ)の前日会見を行った。最終予選の初陣という緊張感の高まる一戦。指揮官は「選手が非常に大きなプレッシャーを感じてプレーすることがと思うので、良い状態で試合に臨めるよう、自信を持って試合に臨めるように環境づくりをしたい」と配慮を見せた。

「初戦はどんな大会でも難しいと思うので、いろんなプレッシャーはあると思うが、選手には日頃からやってきていることに自信を持って、最大限のものを発揮してほしい。またチームで明日できるベストなパフォーマンスをすることを考えてもらいたい」。

 前回のロシアW杯アジア最終予選では、ホームで行われた初戦のUAE戦に1-2の逆転負け。過去を振り返れば嫌な記憶も頭をよぎるが、指揮官は普段どおりの姿勢を強調した。

「難しい相手との戦いの中で、自分たちがやるべきことをしっかりやる。自分たちがやりたいことが相手との戦いの中でできない難しい状況になった時には、いろんなオプションを柔軟に対応力を発揮して、相手を上回っていくことが大切だと思う。あとは選手一人一人のコンディションを最大限発揮していくことと、お互いが意思統一してチームとして連係連動して戦い抜くことが大切だと思っている。特効薬というより基本的なことを徹底していきたい」。

 対戦相手のオマーンはFIFAランキング79位。同24位の日本は通算対戦成績でも9勝3分0敗と大きく優位に立つが、最後に対戦した2019年1月のアジア杯グループリーグでは1-0の接戦を演じており、油断はできない相手だ。「彼らが戦った2次予選の映像をもとに分析し、明日の試合に臨みたい」と意気込む指揮官は、次のように相手の印象を語った。

「オマーンは相手によって、試合の流れによっていろんな戦いができる強みを持っている。攻撃ではダイレクトに素早い攻撃をし、単発・少人数ではなく人数をかけ、攻撃に厚みを持って仕掛けてくる。守備では基本的にブロックを作って良い守備から良い攻撃にというのをやってくるチームだが、試合状況や相手によっては前からプレッシャーをかけてくる幅も持っている」。

 そうした特長を踏まえて森保監督は「われわれは相手がブロックを作って、なかなかこじ開けさせてくれない時にボールを動かしながら相手の守備の隙を狙って攻撃しないといけない。そういう意味ではまずは我慢強く攻撃を仕掛けていくことが必要。ボールの移動中から素早く連係連動して崩していくイメージを持っていきたい。また相手がハイプレッシャーで来た時にも慌てることなく、これまでやってきたようにGKを使って素早く良いポジションを取ってかわしていくということの両方を持っておかないといけない」と分析する。

 日本はこれまで6大会連続でW杯に出場。「サッカー選手であるならば、サッカーに携わる人であるなら、W杯という夢の舞台にみんなが行きたいと思っている。夢をかけた戦いならではの緊張感がある」。大舞台に思いを寄せた森保監督は、選手としても経験したことのある最終予選の難しさについて次のように語る。

「W杯本大会や五輪という部分でも対戦相手はわれわれの対策をもちろんしてくるが、この最終予選においては、アジアの戦いにおいては徹底的に対策をしてくる。そこでわれわれがやりたいことを相手が研究し、潰してこようとするので、そこをどう上回っていくかは非常に難しい戦いだと思う」。

 またアクシデントも立ちはだかっている。前日練習では左太ももに違和感を抱えるMF南野拓実、右足付け根に違和感を抱えるMF板倉滉が欠席。2人の欠場が濃厚となっていることに加え、移籍手続きの関係で合流を回避したDF冨安健洋、リーグ戦の影響で合流が間に合わなかったMF守田英正もオマーン戦の出場ができない。

 それでもチーム発足当初から“臨機応変さ”を強調してきた指揮官は「コロナ禍や招集条件で本来ここにいるべき選手が来られず、コロナ禍の難しさはあると思っている。ただコロナの制限だけでなく、いろんな招集条件や怪我、出場停止などで招集したい選手がこの場に来られない場合もある。いろんな想定外のことがW杯最終予選で起きてくると思う」と受け止め、試練に立ち向かっていく構えだ。

「誰が出ても勝利のために走って戦う、結果を出すということを準備してきたので、チームで結果を出すということを意思統一してしっかりと戦っていきたい」。

 そう力を込めた指揮官は最終予選経験を持たない若手選手にも「経験豊富な選手がたくさんいるので、しっかりカバーしてくれると思うし心配していない」ときっぱり。「普段彼らが所属しているチームで、高いレベルで厳しい戦いを経験している。そういうところから結果を残して、存在感を発揮してこの代表に選ばれている。W杯への緊張感は最終予選は高いものになるが、普段力を見せているからこそこの場に立っているんだと思って試合に向かってほしい」と信頼を強調し、緊張の初陣を見据えた。

(取材・文 竹内達也)
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