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日本vsオマーン 試合前日の森保一監督会見要旨

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 日本代表は2日、パナソニックスタジアム吹田で行われるカタールW杯アジア最終予選の初戦で、オマーン代表と対戦する。森保一監督が1日、オンラインで前日会見を行った。

 以下、試合前日の森保一監督会見要旨

●森保一監督
「カタールW杯に向けての最終予選になる。サッカー日本代表を応援してくださっているサポーターの皆さんに感謝を申し上げたい。明日のオマーン戦の前にいまコロナ禍が続いている状況の中で、われわれが試合をさせていただくことに感謝を申し上げるとともにわれわれがサッカーができる意義を考えて試合に臨みたい。コロナ禍で、そして自然災害などで大変な思いをしている人たちに向けて元気や勇気、励ましのメッセージを届けられるようにしたい。そして勝利を届けられるようにしたい。コロナ禍で世の中のために戦っている医療従事者の方々、エッセンシャルワーカーの方々に感謝申し上げたい。大変な思いをして、命をかけて戦ってくださっているということに敬意を表したい。明日のオマーン戦はまずはわれわれがこれまでやってきたことを少しでも良い準備をして発揮できるように、試合の内容にはこだわりつつも、勝つという結果を残せるよう最善の準備をして、チーム一丸となって全力で戦いたい」

——最終予選の初戦はいつも難しいが、初戦の特効薬みたいなものはあるか。
「予選の特効薬というものはないと思っている。特効薬があるとすればこれまで自分たちがやってきたことを難しい相手との戦いの中で、自分たちがやるべきことをしっかりやることで、自分たちがやりたいことが相手との戦いの中でできない難しい状況になるかもしれない時に、いろんなオプションで柔軟に対応力を発揮して、相手を上回っていくことが大切だと思う。あとは選手一人一人のコンディションを最大限発揮していくということと、お互いが意思統一をしてチームとして連係連動して戦い抜くことが大切だと思っている。特効薬というより基本的なことを徹底していきたい」

——初戦の特効薬ということだった。
「初戦の特効薬としても同じことかなと思う。初戦はどんな大会でも難しいものはあると思うので、いろんなプレッシャーはあると思うが、選手には日頃からやってきていることに自信を持って、最大限のものを発揮してほしい。またチームで明日できるベストなパフォーマンスをするということを考えてもらいたい。われわれスタッフにできることは、選手が非常に大きなプレッシャーを感じてプレーすると思うので、選手たちが少しでも良い状態で試合に臨めるよう、自信を持って試合に臨めるように環境づくりをしたい」

——練習がなかなか見られないので選手の状態がわからない。起用できない状態の選手はいるか。
「それは今日の練習を見て最終的に判断したいと思っている。週末の試合から多少怪我というか、コンディション的に100%じゃない選手もいるし、海外から移動してきて時差もあり、フィジカルのコンディションがどれだけ日頃の100%の状態かは見てみないとわからないところがある。練習を見て最終的に決めたい。現段階では誰ができるか、誰ができないかをお話しすることが難しい」

——オマーンはどういうふうに出てくるか。またどういうところを警戒しているか。
「オマーンへの対策だが、われわれと同様、彼らもW杯2次予選を進んできている。彼らが戦った2次予選の映像をもとに分析し、明日の試合に臨みたい。彼らの特徴は相手によって、試合の流れによっていろんな戦いができる強みを持っているということ。攻撃的なチームだと思っている。攻撃ではダイレクトに素早い攻撃をするというところで、単発・少人数ではなく人数をかけて攻撃に厚みを持って仕掛けてくる。守備では基本的にブロックを作って良い守備から良い攻撃にというのをやってくるチームだが、試合状況や相手によっては前からプレッシャーをかけてくる幅も持っている。われわれは相手がブロックを作って、なかなかこじ開けさせてくれない時にボールを動かしながら相手の守備の隙を狙って攻撃しないといけない。そういう意味ではまずは我慢強く攻撃を仕掛けていくことが必要で、移動中から素早く連係連動して崩していくイメージを持っていきたい。また相手がハイプレッシャーできた時、慌てることなく、これまでやってきたようにGKを使って素早く良いポジションを取ってかわしていくということの両方を持っておかないといけない」

——最終予選に臨む心境は。緊張をしているように見えるが。
「いい意味での緊張はしている。明日の試合、勝ちたいと思って準備しているし、湧き上がってくる緊張感はある。過緊張で肩に力を入れすぎても私自身いい仕事、いい判断はできないので、選手たちにもわれわれが勝利を収めるためのいい緊張感で試合に臨んでほしいと思う」

——親善試合がないので、試したい選手は最終予選で使うしかないという難しさもあると思う。最終予選で結果を出すことが大前提だが、W杯に向けて強化をしないといけない中で、来年に向けてのチーム作りという目線でこのことをどう捉えているか。
「最終予選を戦う上で、突破するという目標に向けて、まずは一戦一戦われわれができる限りの最善の準備をして向かうことが大切だと思っている。毎回の代表ウィークで、選手を選考させてもらい大会に臨むが、基本的にこれまで招集させてもらった選手をラージグループと捉え、そこから招集条件が出てくるので、それに沿ってベストな選択をしていきたい。またこのことにプラスして、常にスカウティング活動をしているので、国内外問わず所属チームで結果を出している選手、存在感を発揮している選手たちは最終予選の戦いに並行して見ていきながら、ラージグループの選手よりプラスになると考えたり、その先の戦いに向けて必要だと考えたら招集していきたい。これまで招集させてもらった選手たちプラス、発見発掘は常にあると考えて選手を見ていきながら、目の前の試合に勝つ、その先の目標に向けてプラスになることを考えてやっていきたい」

——酒井宏樹、大迫勇也が国内に復帰したことでコンディション面でメリットはあると思うが、プラスアルファとして彼らがもたらす波及効果はどれくらいあるか。
「最終予選の第1戦を考えた時、酒井や大迫が国外にプレーする場を移してきてくれたことで、ホームでスタートする部分ではリーグ戦も戦っているし、移動も少なく時差もなく初戦に向かい、第2戦につなげていけるのはプラスだと思う。本人たちのコンディションでもプラスだと思っている。また海外組で第1戦に招集させてもらい、戦ってくれる選手たちは先週末の試合を戦っているし、週末の試合を終えて、直後に長距離移動をしなければならない、時差を調整を2日、3日でしてパフォーマンスを発揮しなければいけないという意味では非常に難しい中、選手たちが少しでも良いパフォーマンスを出せるように練習してくれている。そういった意味ではこれまでの海外組の選手たちは国内で第1戦があるときは長距離移動、時差がある中で、なんとか愚痴も言わずに良いコンディションを保って、覚悟を持って代表に来てくれている。日本のために覚悟を持ってやっていることをこれまでやってきてくれているし、それは今回の招集でも言えることだと思う。酒井と大迫に関してはJリーグに戻ってきて、ヨーロッパのトップトップで培ってきた強度をJリーグでも発揮してくれているので、日本のサッカーが成長する、発展につながるいい形になると思う」

——初めて最終予選を経験する選手がいる。彼らの中には海外リーグ、五輪を経験した選手もいるが、最終予選は予期しないことも起きる。メンタルコントロール、雰囲気作りでどんなことを意識しているか。またこれまで見てきた最終予選と、五輪本大会など他の戦いとの違いはどのようなところにあるか。
「まずはカタールW杯に向けてこれまでのW杯、これからのW杯もそうだと思うが、サッカー選手であるならば、サッカーに携わる人であるなら、W杯という夢の舞台にみんな行きたいと思っていると思う。夢をかけた戦いならではの緊張感があるのかなと思う。かかっているものがある。絶対に勝ちたい、W杯の舞台に行きたいという思いが出てくるのでより緊張感が増してくると思う。そしてアジア最終予選を考えた時、W杯本大会や五輪という部分でも対戦相手はわれわれの対策をもちろんしてくるが、この最終予選において、アジアの戦いにおいては相手が徹底的に対策をしてくる。われわれがやりたいことを相手が研究し、潰してこようとするので、そこをどう上回っていくかは非常に難しい戦いだと思う。最終予選に臨むにあたり、経験値があまりない選手がいるという話をされていて、それはおっしゃる通りだと思うが、経験値が最初からある選手はいない。最終予選を経験しながら成長する、結果を出すということをやってほしい。経験が浅い選手たちには経験豊富な選手がたくさんいるので、しっかりカバーしてくれると思うし心配していない。あと普段彼らが所属しているチームで、高いレベルで厳しい戦いを経験している。そういうところから結果を残して、存在感を発揮してこの代表に選ばれている。W杯への最終予選の緊張感は高いものになるが、普段力を見せているからこそこの場に立っているんだと思って試合に向かってほしい」

——五輪に出ていた選手がA代表の布陣に近いので守備面の不安はないと思うが、そうした五輪組のメリットがある中で、今回の短い期間で試合に向けて行ったアプローチにこれまでとの変化があったか。
「五輪に出た選手たちは五輪が終わって、最終予選にスライドしてきている。間隔が空いていないので、スムーズに行くと思っている。一方でA代表の活動で間が空いた選手がいるが、2018年のロシアW杯の後から少しずつチームづくりを進めてきて、コンセプトを落とし込んできた。入れ替わりがある選手もいるが、また一緒に活動する間にピッチ上で、ピッチ外でコミュニケーションを取ってもらい、戦っていくという意思統一しながら明日の試合に臨む。五輪があったからということでは違いはない。ただ皆さんにも情報は伝えているが、コロナ禍や招集条件で本来ここにいるべき選手が来られないという難しい状況は残っている。コロナ禍の難しさはあると思っている。ただコロナの制限だけでなく、いろんな招集条件や怪我、出場停止などで招集したい選手がこの場に来られない場合もある。いろんな想定外のことがW杯最終予選で起きてくると思う。誰が出ても勝利のために走って戦う、結果を出すということを準備してきたので、チームで結果を出すということを意思統一してしっかりと戦っていきたい」

●カタールW杯アジア最終予選特集
●カタールW杯各大会予選一覧

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