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奇跡の使者“FW”槙野智章が実質2点弾「元FWのシュートセンスです」

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劇的なゴールを奪った浦和レッズDF槙野智章

[9.5 ルヴァン杯準々決勝第2戦 川崎F 3-3 浦和 等々力]

 スコアは2-3、1点を追う後半アディショナルタイム。ベンチスタートの浦和レッズDF槙野智章が5枚目の交代カードとしてピッチに立ったその2分後に、奇跡は起きた。

 左CKのチャンスでキッカーの江坂任がファーサイドに蹴ったボールをアレクサンダー・ショルツが折り返すと、川崎FのGKチョン・ソンリョンがはじいたボールに詰めてねじ込んだのが槙野だった。

「日頃のトレーニング後のシュート練習はJリーグの中でも3本の指に入るくらい。毎日練習していますんで。その感覚と、元FWのシュートセンスで生まれたゴールかと思う。セカンドボールに詰める感覚と動きは高校に入るまではFWをやっていたので、詰める感覚はまだ消えていない」

 その言葉通り、ストライカーを思わせるゴール前の嗅覚。浦和は3-3とし、アウェーゴールの差で川崎Fを下し、準決勝へコマを進めた。

 予感はあった。試合前日にリカルド・ロドリゲス監督から「明日は1戦目と同じ布陣で戦うが、状況によって出番があるかもしれない」と、ベンチスタートを言い渡されたが、「監督には冗談で『FWで準備します』と言っていた」(槙野)

 試合は浦和が江坂のゴールで先制したが前半のうちに追いつかれ、後半32分と同38分にセットプレーから連続失点し、1-3とされた。しかし、途中出場のキャスパー・ユンカーが1点を返すと、残り時間が少なくなっていることでアウェーの利点から「あと1点」で準決勝に進める確率が大幅に上がったことに。すると、チームメイトの目の色が俄然勢いづいた。

「2失点目、3失点目のときに選手が沈んでいるような感じがしたが、ユンカーが決めた時、やってやるぞ、まだあきらめないよという顔が見受けられた。その表情を受け取って、あとは俺がやってやるという気持ちでグラウンドに入った」

 わずか4分ほどのプレータイムで2点分に相当する“決勝点”を叩きこんだ槙野に対し、リカルド監督は「こういったゲームだけでは、実力だけではなく運も必要」と頷くように言った。「コーチに(居残り練習をやめて)上がれと言われてきたが、やっと成果がでたなとスタッフにも言われた」と槙野。16年以来の優勝に向けて勢いが出てきた。

(取材・文 矢内由美子)
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