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イメージはキミッヒ…中山雄太「サイドバックとボランチの両立は現代サッカーのトレンド」

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左サイドバックのポジションを争うDF長友佑都と並んでランニングするDF中山雄太

 まずは最高の準備をして試合に臨むこと。そこが十分ではなかったのではないかというのが率直な思いだった。2日のW杯アジア最終予選初戦でオマーンに0-1で敗れた日本代表DF中山雄太(ズウォレ)は「初戦でもあり、ホームでもあり、勝たなければいけない一戦で結果を出せなかったことは選手全員が責任を感じている」としたうえで、「全員が強い気持ちを持って、次の試合で勝利をもぎ取る決意で臨めていると思う」と強調した。

 ベンチから見守ったオマーン戦を振り返り、「連係があまり良くないシーンもあったと思うけど、そういうところは準備がすべてだと思う」と指摘。オマーン戦は長距離移動や時差の関係もあり、全体練習がほとんどできない状態で試合に臨まざるを得なかった。7日の中国戦に向けては、カタールのドーハでしっかりと調整できているプラス材料もある。

「“もっとできたんじゃないか”というのは1戦目のあとに選手自身が感じていた。そういう考えに至らないようなしっかりとした準備ができていれば、たとえ結果が負けであっても、違う課題が見えてくると思う。次の試合はもちろん結果にもこだわらないといけないけど、準備という部分でも第1戦からの反省を生かしていきたい」

 東京五輪期間中にはオーバーエイジのDF酒井宏樹から「最終予選のプレッシャーはオリンピックとは比にならない」とも聞かされていたという。その言葉通り、2大会連続の黒星スタート。それでも中山自身は「1戦目を落としてしまって難しい状況になっていることが最終予選の難しさなのかなと漠然と思っているけど、僕自身、まだ1試合しか体験できていないので、まだその怖さを実感できていない」という。

「それを知らないうちに僕ら若手がどんどんパワーを出していければと思っている」。中山ら東京五輪世代の若き力をどう融合させるかもチームの成長には欠かせない。「逆に言えば、自分が試合に出てこの状況を打開したい、試合に出てチームの勝利に貢献したい気持ちしかない」と力強く話した。

 クラブではボランチでプレーするが、代表では左サイドバックがファーストチョイスになりつつある。「そこに関してはもうどちらでもやれると思っている。サイドバックかボランチというオプションになって、センターバックのオプションはなくなってくるのかなと思うし、そこはクリアに考えられている」。ユーティリティーは大きな武器でもある。

「ドイツ代表のキミッヒ選手はチームでボランチをやりながら代表では右サイドバックをやっている。僕の中でイメージも付きやすいし、サイドバックとボランチの両立は現代サッカーではトレンドになってきている。そこに挑戦できているというのは楽しみな気持ちでもある」

 東京五輪を通して「自分のサイドバックとしての課題や強みが分かってきて、今はすごく良いマインドでできていると思う」と成長も実感している。「自分が出たらゲームを落ち着かせられるかなと思うし、今、自分が行くべきなのか、行かないべきなのか、あるいは外でプレーすべきか、中でプレーすべきかというのは、相手がつかみづらい状況を常に作れると思うので、そこは自分の強みかなと思う。長友選手のような縦の攻撃の推進力は僕自身の課題。そこは試合の中で自分もチャレンジしたい」。偉大な先輩が君臨する左サイドバックで定位置を奪っていくための青写真は、自身の中でしっかり描けている。

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