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選手の変化を称えた森保監督「いいエネルギーを作り出してくれた」

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[9.7 W杯アジア最終予選 日本1-0中国 ドーハ]

 “二つの顔”を見せた相手に苦戦を強いられながらも、なんとか今大会初の勝ち点3をもぎ取った。カタールW杯アジア最終予選・中国戦の試合後、日本代表森保一監督は「1戦目の敗戦を受けて選手たちがしっかりとリバウンドメンタリティーを見せてくれた。一人一人がいい準備をしてくれた」と選手たちの姿勢を称えた。

 初戦のオマーン戦でまさかの敗戦を喫し、これ以上勝ち点を落とせない状況で臨んだ第2戦。早々に先制点を奪ってリードを確保しておきたい日本代表だったが、対戦相手の中国が講じた奇策5-3-2システムで懸命に守りを固める中、一方的にボールを支配しながらもゴールを奪えない時間が続いた。

「直近までの試合を分析した上では3バックはないかなと思っていた。試合の直前でスタッフが情報を拾ってくれて、相手のスターティングメンバーを見て、3バックで来るのではないかと急遽準備した」。

 試合後のオンライン取材で、中国の奇策は想定外だったことを明かした指揮官。それでも前半の内容には手応えを感じていたようだ。

「4バックで来るだろうという相手で準備をしていた中、選手たちが柔軟に対応力を持って、試合の入りから3バックと5バックの相手に対し、ボールを握りながら試合を進めてくれた」。そうした中で奪えたFW大迫勇也の先制ゴール。森保監督は「優勢に試合を進めている中、先制点を取れたのは試合の流れに大きく影響した」とエースの働きに賞賛を送った。

 そうして迎えた後半は一転、中国がボール保持への意識を高め、交代選手の投入で勝負をかけきた。その結果、日本が前半ほど深く押し込めるシーンは少なくなり、中盤のぶつかり合いで後れを取れば失点につながりかねない時間帯が続いた。

「中国も初戦で敗戦していたので、もっとスタートからアグレッシブに戦ってくるかなと思ったが、中国のゲームプランはできるだけ長い時間0-0で時間を進めて、後半勝負に出てくるということだったのかなと思う。交代カードの切り方を見ていてあらためて感じた」。

 それでもしぶとく戦った日本はほとんど決定機をつくらせることなく、1-0で試合を締めた。指揮官は「できれば得点をもう一つ奪って無失点に抑えて勝てればさらに良かったかもしれない」としつつも、「最終予選の厳しい戦いの中、無失点に抑えながら難しい状況を1-0で勝てた。これからの難しい戦いでも接戦を勝っていくということを実践してくれた」と前向きに振り返った。

 オマーン戦での敗戦から5日間、選手たちはチームスタッフを含めたミーティングの他にも、自主的に会合を持って最終予選に臨む覚悟を共有していたという。こうした動きについて指揮官は「私が働きかけなくても自分たちでミーティングを開き、中国戦に向かっていくという反発力を持って、いいエネルギーを作り出してくれていた」と前向きに受け止めていた。

 ようやく勝ち取った初白星。それでも、ホッとしてはいられない。10月にはサウジアラビアとのアウェーゲーム、オーストラリアとのホームゲームを控えており、もし敗れればW杯出場権争いのライバルに勝ち点を与えてしまう大ピンチ。一方、2連勝中の両国に連勝すれば、初戦黒星の後れを取り戻せるチャンスでもある。

 そうした中、指揮官は対戦相手の動向よりも、日本チームのクオリティー向上にフォーカスしていく構えだ。

「分析はしっかりしないといけないが、オマーン戦と中国戦を比べると、自分たちのコンディションを整えること、覚悟の面で相手より上回って戦っていくんだという準備がまずは必要かなと思っている。相手あっての結果だが、われわれ自身が選手個々の力を100%発揮し、チームとして連係連動して100%発揮することができれば、サッカーに絶対はないがより高い確率で勝っていける。今回招集したメンバーもそうだが、その試合に向けて考え抜いて招集したメンバーなら必ず力を発揮してくれれば勝てるんだと自信を持って戦いに臨みたい」。

 そう力強く語った森保監督は「オマーン戦のように自分たちがやろうとすることと、実際にプレーの表現する部分のギャップが出ないよう、しっかりと意思統一して、チームとしていい距離感で連係連動できるよう準備していかないといけない。結果が全てだと思う。結果にこだわってやる。でも結果を出すためにはプロセスにこだわった上で、自分たちがやるべきことをやる、そうすれば勝つ確率が上がるということでしっかり準備していければ」と意気込みを述べた。

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