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果たせなかった“涙の約束”…長友「いままだ追っている。世界一のSBになれていない」

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FC東京のDF長友佑都

 FC東京への11年ぶり復帰が決まった日本代表DF長友佑都が12日、記者会見とオンライン取材に臨み、「心から愛する僕のクラブに帰って来れてうれしく思う。海外で11年間、イタリア、トルコ、フランスで培ってきた経験をクラブに還元できるように、貢献できるようにしっかり頑張っていきたい」と意気込みを語った。

 長友は明治大在学時の2008年、卒業を待たずにFC東京に加入。10年夏からヨーロッパに挑戦し、イタリアのチェゼーナとインテル、トルコのガラタサライ、フランスのマルセイユでプレーしてきた。今回は11年ぶりのJリーグ復帰。海外クラブからのオファーもあったというが、プロキャリアをスタートしたクラブを選んだ。

「自分自身、感動している。心が震えるとはこういうことかという感情。11年前の色んな想いが蘇ってきた。若い時は野心があったな……と振り返って思うが、今のほうがより一層、溢れんばかりの野心や情熱が湧き上がってきて、必ずこのクラブに貢献できると確信している」。

 長友はそんなFC東京を選んだ理由について「決め手はもう、愛するクラブだから。それ以外にない」と断言。「興味を持ってくださり、話をくださったチームもあったが、その中でも愛するクラブのFC東京から正式にオファーをいただいた。その熱意や今後目指していくビジョンに心を動かされた。このクラブに戻り、力になりたいという思いに至った」と力を込めた。

 そこで言うビジョンとは「優勝を本気で目指していく」という姿勢だ。

 大金直樹社長は加入会見の場で「タイトルを取るためにやっと役者が揃った。首都東京にふさわしいクラブになるために長友佑都選手に帰ってきてもらった」と力説。長友も「僕はこのチームで優勝したい」と口を揃え、「今年のリーグ戦の優勝は正直厳しいと思っているが、ACLに出場できるようにしたいし、ルヴァン杯で優勝に向けて頑張っていきたい。そして来年はJリーグ優勝という目標を持っている」と熱く語った。

 また国内移籍を選んだ背景には、自身4度目となるワールドカップへの思いもあったようだ。

「W杯に向けての思いをよく聞かれるが、もう語彙力がなさすぎて、その思いを伝える言葉が見つからない。それくらい僕にとってW杯は特別で、人生をかけてそこに向けてやっていきたい」。

 そう熱弁した長友は「移動の負担、時差の調整、コンディションの面で圧倒的に優位に働く。最高の状態でW杯予選、W杯に向かうという意味で大きなメリットがある」と国内移籍の利点を指摘。苦戦が続く最終予選を振り返りつつ「最高の状態で臨んでいかないと日本がW杯に行けないという危機感も出てきた。代表も含めての決断」と明かした。

 もっとも、再び夢舞台に挑むためにはまず、FC東京で期待どおりのパフォーマンスを発揮することが求められる。「ここに帰ってきたからといって、ポジションがあるとは思っていない。レギュラー争いをしながら戦っていきたい」と謙虚な姿勢を見せた長友は11年前と変わらぬ野心をたぎらせている。

 11年前、長友は味の素スタジアムで行われた退団セレモニーの場で「僕はみなさんと別れるつもりはありません。もっともっとビッグになって、世界一のサイドバックになりたい。そしてまた青赤のユニホームを着て、このピッチに立てるように、自分作りに励みます」と涙ながらに約束した。その言葉は一部、有言実行となったが、いまも果たせていない使命がある。

 この日、報道陣からセレモニーでの言葉について問われた長友は「有言実行でもなく、目標はいままだ追っているところ。世界一のサイドバックになれていない」ときっぱり。「来年のW杯で最高の活躍をして、その目標を達成したい。まだまだモチベーションは高い。イタリア、トルコ、フランスと11年間たくさんの経験をしてきた。正直厳しい経験がたくさんあったけど、それでも乗り越えて自分自身成長できたと思う。培ってきた経験を還元したい」とさらなる野望を語った。

 そしてオンライン取材の最後は熱い“長友節”で締めた。

「強い覚悟でここに来ている。首都のクラブですよ。花の都ですから。花の都はやっぱりビッグクラブでないとダメだし、常勝クラブでないと盛り上がらないと思う。東京都の『都』という字も、花の都の『都』という字も、長友佑都の『都』。全部縁を感じる。長友佑都の『佑』も助けるという意味があるので、都・東京を助けるというところで、すごく燃えている」。

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