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鎌田大地がもたらす“稀にしか見ない”才能とは?フランクフルト監督が語る期待と課題

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MF鎌田大地の才能とは

 フランクフルト率いるオリバー・グラスナー監督は10日、12日に行われるブンデスリーガ第4節シュトゥットガルト戦に向けた会見に出席。その中で、日本代表MF鎌田大地について言及した。

 鎌田は9月のカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選で、2日に日本で行われたオマーン戦には先発出場、7日にカタールで行われた中国戦には76分から途中出場した。そしてフランクフルトに戻り9日からは練習に参加したが、そのクラブでの代表明け初練習のプレーにグラスナー監督は驚きを覚えたようだ。

 同監督は「(オーストラリア代表)アイデン・フルスティッチはベトナムでプレーし、その2日後には何もなかったようにここにいて私と話している。代表の選手に脱帽しなければいけない」と話すと、「ダイチは日本で1試合、ドーハでもプレーし、昨日の初トレーニングでは素晴らしいプレーを見せている」と称賛。「代表メンバーはみんなあれほどの負荷を負いながら、ここではそれを感じさせないことにリスペクトを示したい」と強調していた。

 一方でオーストリア人指揮官は、鎌田が今季これまでの公式戦でまだ本来の姿を見せていないと言及。地元メディアの記者に「インタビューで今夏には移籍も考え、それが多少集中力に影響したとかもしれないと認めていたが、今シーズンは今後、彼をどう見ているか」と問われると、次のように返している。

「ダイチとは今日グランドの横で話をした。私も、彼がインタビューで話していたとおりの印象を受けていた。それらはすべて人間的なことだ。私も20年間プレーした。若い選手たちなのでもちろん、ほかのクラブからの興味を知らされれば、気になるものだよ。『良いステップなのか?』『今後のキャリアはどうなる?』とね……。家族だったり、代理人だったり周辺からの色々な意見が耳に入り、自分自身もどういったキャリアを送りたいかという考えがある。それによって迷いが生じることもあり得るものだ」

「もちろん、監督としてはそういうの(迷い)は望ましくない。選手としても望まないが、それでも避けられないときもある。それもダイチが昨シーズンほどのパフォーマンスを維持できなかった一因であるかもしれない。部分的には私も理解できる。だから9月1日(移籍市場閉幕翌日)にはロウソクに火をつけて、すべての状況がクリアになったことを祝ったね」

「選手たちもアイントラハト・フランクフルトのプレーヤーであることが明確になった。夜眠れなくなるような悩み事はなくなり、今はまた自身のパフォーマンスのことを考えるはず。選手も、我々も楽になり、私はここにいる選手が残ってくれて、今後数カ月間は一緒にこのクラブのために取り組んでいけることを本当にうれしく思う」

 そして選手としての鎌田については、このように続けた。

「ダイチは私がこれまで稀にしか目にしなかったほどのプレーインテリジェンスを持ち合わせる選手だ。エリア間での動きでそれを示す。例えば、(試合では)少し足りなかったが、昨日の紅白戦では決勝点を演出し、さらに決定機を迎えている。どうやってスペース間に動き、自ら裏に抜けたのか……」

「自らのフィニッシュにおいてはまだ確かに上達の余地を残していると思うし、5ゴールにとどまらず7~8ゴールを決められたかもしれない。シチュエーションの多くを非常に素晴らしく予測し、どこに相手にとって危険なエリアが現れるか読み取れている。だが、そういったところでまだ決め切れないときもあり、その部分ではまだ改善できるだろう。プレーインテリジェンス、ランをもって相手に脅威を与える位置に入れても、アシストのみに終わってしまわないためにね」

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