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「僕が決めないといけない」。U-18世代屈指のストライカー、京都橘FW木原励は苦闘乗り越えて勝利へ、ゴールへ

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世代屈指のストライカー、京都橘高FW木原励主将は「自分が決めて、勝つ」という決意を持って秋冬の戦いへ

[9.11 高円宮杯プリンスリーグ関西第12節 京都橘高 1-0 金光大阪高 YANAGI FIELD]

 U-18世代屈指のストライカーは、チームの勝利とゴールにこだわっていく。京都橘高FW木原励主将(3年=セレッソ大阪U-15出身)は、昨年度の全国高校選手権優秀選手で昨年、今年と年代別日本代表候補に名を連ねている注目株。今年のインターハイ京都府予選では全5試合(計9得点)でゴールを決め、プリンスリーグ関西の阪南大高戦で2得点をマークするなど抜きん出たパフォーマンスを見せている。

 ただし、その結果に満足している訳ではない。今年は常に厳しいマークの中でのプレー。この日も得意の抜け出しやドリブルシュートを金光大阪高に警戒されていた。木原はサイドへ展開してからそのままゴール前に飛び込んだり、カットインへ持ち込んでいたが、わずかにズレたり、相手の好守にあうなどシュートを打たせてもらえず。チームが勝つことを何より大事にする木原は前線で起点となって決勝点を演出し、勝てたことについては素直に喜んでいたものの、物足りなさがあったことも確かだ。

 京都橘は今年、インターハイ予選決勝で東山高にPK戦で敗れて全国出場を逃し、プリンスリーグ関西も4勝2分5敗で暫定6位。木原は怪我でリーグ序盤戦を欠場していることもあって2得点と数字を増やすことができていない。だからこそ、警戒されていても、自分の一撃で勝利を。エゴを全面に出すタイプではないが、チームが勝つためにより貪欲にゴールへ向かうことを意識している。

「チームが結果出ていないのは僕の責任なので、グロイエン(関西U-16、木原は13得点で得点王)の時とかも僕が点決めて勝ってきたので。僕が決めないといけないと僕も思っているし、みんなも思っていると思う。プロになったら自分が決めたから勝つとかそういうのではないと思うんですけれども、このチームは僕が決めないと、というのがあるので、そこは結果を残して、選手権は僕が絶対に決めようというのがあります」

 木原は昨夏、エースFW西野太陽(現徳島)が徳島へ長期の練習参加している期間に急成長。「太陽くんが夏休みずっと行っていて誰が点とんねんという中で『僕』という自覚があった」FWは、強豪校相手のフェスティバルや練習試合、リーグ戦、そして選手権予選で凄みのある動きを続け、得点を重ね、複数のJクラブが関心を寄せる存在となった。

「去年は、プロとか死にものぐるいで掴んだろうと」。その思いも成長を後押して飛躍。「今年もその気持ちはあって、チームのことであったり、色々なことを考えながらやっているんですけれども、去年よりも考えながらやらないといけないとダメで。去年ほど自由はないんですけれども、その中でもやっていかないといけない」。チームリーダー、エースとして味わった難しい経験、悔しい経験も力に。主将としてチームのことを考えながら、自分の成長も求めていく。

 MF松木玖生(青森山田高)やDFチェイス・アンリ(尚志高)、FW福田師王(神村学園高)とともに高校サッカーを引っ張る存在。ライバルたちが活躍する情報は入ってきているが、意識はしていない。これまでと変わらず、自分がチームのためにできることを追求する。

まだまだ上手くいかないことも多いが、だんだん良くなってきているという手応えもある。自分にマークが集中すれば、この日のように味方を活用して勝てれば良い。浦和などJクラブへの練習参加を経てボールを受ける動きや守備面で成長を遂げている注目FWは、勝つこと、そしてゴールにこだわり、チームメートたちを笑顔にする。
 
(取材・文 吉田太郎)
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