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「全員がリーダー」の尚志を好転させるMF松本勇斗主将

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個性的な選手多い尚志高のバランスを取っているMF松本勇斗主将

[9.18 高円宮杯プリンスリーグ東北第15節 尚志高 4-0 仙台育英高 尚志高G]

 個性の強い選手が多い尚志高をまとめているのが、MF松本勇斗主将(3年=ともぞうSC ジュニアユース出身)だ。コーチ陣の指名によって、U-20日本代表候補CBチェイス・アンリ(3年)ら擁する注目世代のチームリーダーに。普段から前に出るタイプではないというが、「発言力とか大事かなと思って自分で発言するように意識して」行動を変え、チームの雰囲気が悪い時などは率先して声がけしているという。

 仲村浩二監督も以前、松本について「みんなを引っ張っていく感じではないけれど、雰囲気が悪くなるとビシッと言ってくれる」とコメントしていた。チームを奮い立たせるタイプではないが、チームの状況を察知し、バランスを取れるリーダー。ピッチでも特別目立つ存在ではないものの、その技術力や献身性で攻守のバランスを高めている。

 主将は自分だが、「(尚志は)全員がリーダー」。仲間と意見を出し合いながら、チームを良い方向へと向かわせてきた。前評判高く迎えたインターハイは、「雰囲気とかも全然飲まれてしまって、最初から全然自分たちのプレーができなかった」という内容で初戦敗退(対日章学園高、0-0からのPK戦で敗戦)。攻撃的MFの松本自身もボールに触ってリズムを作ることができず、悔しい敗戦となった。

 特に東北地区のライバルである青森山田高が日本一に輝いたことへの悔しさはある。ただし、青森山田や他のライバルを意識するよりもまずは自分たち。「自分たちに奢り持たないで、全試合挑戦者として、まだ(全国)タイトルも獲れていないですから」。この日、プリンスリーグ東北の上位対決を制したが、油断することはない。プレミアリーグ昇格と選手権での日本一という大目標を成し遂げるために、厳しさを持ってチーム力を積み上げていく。

「今はチームとしても向かっている方向が同じなので、良い雰囲気でやっていけている」。大舞台で自分たちの力を出せなかったことを忘れず、全員で改善し、逆に大舞台で力を発揮できるチームへ変わる。

(取材・文 吉田太郎)
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