beacon

[関東]今夏2度の活動休止に見舞われた早大、1年ぶり公式戦出場の福島内定GK上川琢が語る「繋がる」想い

このエントリーをはてなブックマークに追加

1年ぶりの公式戦出場となったGK上川琢

[9.19 関東大学L1部第16節 早稲田大0-1立正大 味フィ西]

 昨年9月27日のアミノバイタルカップ1回戦の城西大戦以来となるちょうど1年ぶりの公式戦ピッチだった。早稲田大のGK上川琢(4年=湘南ユース)は「言い訳にはできないけど、試合に入るところの感覚のところで練習から意識していかないといけないなと思いました」と0-1での敗戦に悔しさを噛みしめた。

 2日前の17日には福島ユナイテッドFCへの入団内定を発表。プロ内定選手として迎えた初戦だったからこそ、結果を強く求めていた。「自分が注目された中で結果を残せなかったことは課題。こういう風に注目された中で特長を出して、チームを勝たせないといけなかったと思います」。

 自分がチームを引っ張る―。そんな強い覚悟を持って大学最後となるシーズンに臨むつもりでいた。しかしJリーグクラブへの練習参加でより意識が高まっていた開幕直前、上川の左足が悲鳴を上げた。診断の結果は第5中足骨の疲労骨折。手術を伴う大怪我だった。

「昨年すべてのリーグ戦に出ている中でもGKグループで一番強度の高い練習をしていた山田晃士さん(現群馬)に感化されて、今年は自分がやって行こうという中で怪我をしてしまいました。でも怪我は残念でしたが、ピッチ外で4年生としていい影響を与えるためにはどうすればいいかを考えさせられたし、考える時間になったと思います」

 さらに今年夏、チームに難題が降りかかった。部内に新型コロナウイルス感染症の陽性者が出た影響で、2度の活動休止を経験。後期リーグが開幕してもなお休部を余儀なくされ、練習再開は9月14日、ようやくこの日が後期リーグの初陣となっていた。

 しかし何もマイナス面ばかりではなかったという。上川自身も当初の予定より日程が遅れたことで、よりコンディションを整えることができた。そしてチームとして再認識したのは「繋がる」ということ。7月の練習中に左膝前十字靭帯断裂の大怪我を負ったエースFW加藤拓己(4年=山梨学院高/清水内定)の離脱も団結を生んでいる。「ゴリが帰ってくることが出来る期間を、場所を作ろうという想いはあります」。再始動の時を迎えた早大は、仲間を想う気持ちで「繋がる」。

(取材・文 児玉幸洋)
●第95回関東大学L特集

TOP