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終始安定したセーブも…新潟L平尾知佳「シュートを打たせてもいいんだぞというGKにならないといけない」

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アルビレックス新潟レディースGK平尾知佳

[9.20 WEリーグ第2節 大宮V 1-1 新潟L NACK]

 触れたボールをことごとくキャッチし、なでしこジャパンの守護神候補にふさわしい働きを見せた。それでもアルビレックス新潟レディースGK平尾知佳は唯一の失点と向き合い、成長への糧にしようとしていた。

「早い時間にあやかさん(FW道上彩花)が点を決めてくれた中で、守り切れなかったのが悔しい試合だった」。

 そう振り返ったGKにとって、悔やまれたのは後半5分の場面だった。ゴール正面での直接FK。大宮FW高橋美夕紀が放ったシュートは味方の壁に当たったが、軌道が変わったボールが跳ね上がり、平尾の手をかすめてゴールマウスに吸い込まれた。

「高橋美夕紀選手は前に新潟でプレーしていて、一緒にプレーしたことはなかったけど、シュートがえげつないということで打ってくるだろうと思っていた」。弾丸シュートの予想は当たっていたが、軌道が変わったことで「逆に動いていた」。それでも平尾は「自分の起き上がりが遅かったというのを反省して練習していきたい」と言い切った。

 また危険な位置で味方がFKを与えたことについても、自らに責任の矢印を向けた。

「前節の長野戦(●1-3)で全然ダメだったのは個人でも感じていたし、今日は一人一人闘う気持ちがあった。ただちょっとしたところで頑張りすぎたところがあった。行きすぎて、ファウルをしてはいけないところでしてしまったというのは、後ろからもうちょっと行かせすぎない守備、シュートを打たせてもいいんだぞというGKにならないといけない。そこが自分の課題」。

 もっとも、大宮が幾度となく繰り出してきたセットプレーのハイボールに対しては、安定したキャッチングでことごとく処理。二次攻撃さえもほとんど許さず、東京五輪メンバー入りの実力は随所に発揮していた。

 あえて自身に厳しい目を向けるのは、高い目標を掲げているからこそ。「リーグ最小失点はまだ諦めていない。目標は最小失点」と言い切った平尾は「勝ち点1をプラスに考えて次の試合に向けて準備するだけ。この勝ち点1をあとあとよかったものにできるように生活していきたい」と前を向いた。

(取材・文 竹内達也)
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