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[MOM3581]日章学園FW木脇蓮苑(3年)_前を向き、仕掛けてV弾!10番が新たな主戦場で輝く

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後半37分、日章学園高FW木脇蓮苑主将(左から2人目)が右足で決勝ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.23 高円宮杯プリンスリーグ九州第5節 熊本ユース 2-3 日章学園高]

 新ポジションに挑戦中の10番が、見事な一撃で試合を決めた。2-2の後半37分、日章学園高はFW石崎祥摩(2年)の落としを左中間で受けたFW木脇蓮苑主将(3年=日章学園中)がドリブルでゴール方向へ。切り返しから右足を振り抜くと、ボールはGKの手を弾いてゴールに吸い込まれた。

「あの状況だったので、思い切り振ってやろうと思いました。ファーはさすがにDFに当たると思ってニアに振り抜こうと思ったら、きれいにミートして入ったので良かったです」。この場面、木脇に対し、熊本ユースの2選手が対応。さらにDF2人がカバーしている状況だった。それでもエースは足を振り切り、ファインゴール。会心のシュートでチームを白星へ導いた。

 木脇は、1年時から名門・日章学園でレギュラー。技術力高く、動き出しが巧みなストライカーは、前線でチームを引っ張ってきた。今年もインターハイ予選決勝などでゴールを決めているが、全国大会は無得点。また、身長166cmと小柄な木脇は全国上位の厳しいマークや、強度高い挟み込みなどに苦しんできた。

 インターハイ後、木脇を「前向きで使いたい」という原啓太監督の意向によって主戦場は左サイドへ。もちろん、本人はFWで活躍したいという思いも抱いているだろうが、「前向きにプレーした方が自分のプレーができる」。

 縦への鋭い突破や左足のクロスも強みとする木脇はこの日、後半に高い位置でプレーする機会を増やし、反撃の中心となっていた。前半の追撃ゴール、後半の同点ゴールのシーンに絡み、そして前節・福岡U-18戦での先制PKに続く2試合連続ゴール。プリンスリーグ九州は前期無得点と結果を残せなかっただけに、注目FWは後半戦や選手権での巻き返しへ強い意欲を示している。

「相手が怖がるようなプレーを。点獲ることもそうですし、左足からのクロスとかも自信があるので、アシストとかも増やしていきたいです。(プリンスリーグ後半戦だけで)10ゴールとか10アシストとか狙っていきたい」と力を込めた。昨年までに比べ、よりハードワークできるように変化。この日の決勝点で自信を得たという10番は、自らの奪い返しからの仕掛けやシュートを増やし、結果でチームを勝たせる。

 1年時の選手権全国大会は四日市中央工高(三重)戦でゴールを決めたが、PK戦で失敗して敗戦。あの悔しさを忘れていない。今年、キャプテンを務める木脇は、あの場所で雪辱するために個人、チームの両方へ目を向けながら取り組んでいく考え。3度目の選手権を勝ち抜いて日章学園中時代に続く日本一を勝ち取る。
 
(取材・文 吉田太郎)
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