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中3でGK始め、地道な基礎練習で成長してU-18日本代表候補選出。熊本ユースの大型GK廣田公明

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ロアッソ熊本ユースのU-18日本代表候補GK廣田公明

[9.23 高円宮杯プリンスリーグ九州第5節 熊本ユース 2-3 日章学園高]

 ロアッソ熊本のアカデミーチームでは、ロアッソ熊本ジュニアユースに在籍し、ロアッソ熊本ユースで活動中の大型FW道脇豊がU-15日本代表候補でインパクトのあるプレーを見せている。また、ロアッソ熊本ジュニアユース人吉のGK小園泰士朗(中2)がナショナルGKキャンプ(9月24日~26日)メンバーに選出された。

 そして、現高校3年生ではユースチームのGK廣田公明(3年=美里町立砥用中出身)が8月にU-18日本代表候補初選出。「最初は緊張したんですけれども、自分のストロングとかが凄く出せたので、他のGKよりも良い結果を残せたと思います」と振り返る。そして、「自分の成長も一番なんですけれども、チームに足りないところが分かったり、そこをチームに還元できたら良いと思います」と加えた。

 熊本ユースの中山貴夫監督はロアッソアカデミーから、才能たちが続けて代表活動などを経験できていることを喜ぶ。「ああいうところに常時行く選手がいると、基準ができるじゃないですか。少しずつその基準ができつつあるのは、良いことかなと思います」。廣田はU-18代表候補で学んだことをチームに還元すると同時に、個人としての成長を目指している。

 廣田は砥用中3年時にGKへ転向。左利きの大型GKは期待されて熊本ユースへ進んだが、当初は試合出場の機会を得られなかったという。それでも、「素材感もあったし、身体能力が高い」と評価する谷井健二GKコーチと基礎練習を繰り返して成長。本人も「みんなが練習終わっているときも、健さんと一緒にシュート練習してもらったり、みんなよりもやり続けたら今出れるようになりました」と頷く日々と、今年試合経験を重ねていることが代表候補選出のチャンスを掴ませた。

 谷井GKコーチは今後、判断の部分の向上を求める。また、廣田はトップチーム練習参加時に伊藤竜一GKコーチやGK佐藤優也と係わったことで技術不足などを感じ、意識してトレーニングを重ねている。現状に満足することなく、将来のため、今できることに全力で取り組んで行く意気込みだ。

 日章学園高戦では前半からクロス、セットプレーのシーンで思い切り良く飛び出して大きくクリア。「相手の攻撃を終わらせることで自分たちの攻撃する時間がより増えると思うので、そこは武器にしています」。後半には1対1をストップするなど好守を見せたが、得意とする左足キックや連係面でミスが出てしまったこと、また3失点してしまったことを悔しがる。

「あと10試合ある。そこでチームを全勝に導くというか、大事なところで失点せずに止められるようにしたい」。同じ熊本県には短いGK歴も、サイズ感も似ているU-18日本代表候補GK佐藤瑠星(大津高3年)がおり、廣田は「瑠星だけには負けないようにはと思っています。(将来は)J1で活躍して世界に出ているサッカーできるGKになりたい」。佐藤瑠や同世代の代表候補GKたちと切磋琢磨しながらさらに成長を遂げ、目標のGKエデルソン(マンチェスター・シティ)のような守護神になる。

(取材・文 吉田太郎)
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