beacon

“都立の雄”東久留米総合はまず選手権予選初戦に全集中。チームリーダーのMF西郷薫「決勝戦の気持ちで臨めたらなと思います」

このエントリーをはてなブックマークに追加

東久留米総合高のチームリーダー、MF西郷薫がクロスを上げる

[9.26 高円宮杯東京2部リーグ第14節 国士舘高 2-2 東久留米総合高]

 東京都2部リーグ優勝、1部昇格へ首位・修徳高を勝ち点1差で追う東久留米総合高は、2点差を追いついてドロー。加藤悠監督は相手を飲み込みかけながらの引き分けを残念がった一方、「2点取れたことも評価できると思う」と前向きだった。

 前線、シャドーの4選手やWBの選手が状況に応じて後方から飛び出したり、ポジションチェンジしながら多彩な攻撃。加藤監督は「(選手たちが)コンセプトをしっかりと共有できているところがある。彼らもよく理解して自信を持ってやってくれているので」。課題の前半に2失点したものの、後半は怪我から復帰してきたMF西郷薫(3年=調布FC出身)が右WBからシャドーへ移り、飛び出す動きをより増やして反撃を加速させた。

 そして、いずれもセットプレーからDF滝大成(2年)が2得点。西郷が「みんなが優勝目指していて、今日は勝ち点3を取らないといけないと臨んでいた」というゲームで意地を見せ、勝ち点1をもぎ取った。

 西郷はGK武田涼佑(3年)とともに2人の主将としてチームを牽引。「武田涼佑は声で引っ張ってくれる。自分はプレーで引っ張る。お互い良いバランスでやれていると思う」と分析する。この日は2人がチームを鼓舞しながら戦い、劣勢を挽回。守備を特長とする西郷は前線からボールを奪って攻撃に繋げるなど、より「攻守で貢献できるようにしていきたい」と誓う。

 “都立の雄”東久留米総合は2年前に選手権出場。当時1年生だった西郷は「凄く格好良いな」と先輩たちが戦い、舞う姿を見ていたという。「でも、あまり強いと言われていた代ではなかったので、自分たちもやってやろうという気持ちがあったんですけれども、いざ自分が3年生になってあの頃の3年生と同じ立場に立ってみると、(先輩たちは)難しい中で勝ってきている、本当に強いチームだったんだなと肌で感じています」。今年はリーグ戦でこそ結果が出ているものの、関東大会予選、インターハイ予選はいずれも初戦敗退。先輩たちの偉大さ、勝ち抜くことの難しさを知った世代は気持ちの部分から変化してきている。

 選手権東京都2次予選が2週間後に開幕。西郷は「今年はみんなが悔しい思いをしてきている。特に3年生は最後の大会なので気持ちも全然変わってきているなと、チームの雰囲気から感じられるので、まずは1回戦。2回戦、3回戦は見ずに1回戦だけを見て決勝戦の気持ちで臨めたらなと思います」。初戦の保善高戦を突破すれば、2回戦で前回大会全国8強の堀越高と対戦する組み合わせ。だが、まずは“決勝戦”のつもりで初戦に集中し、必ず勝って次に繋げる。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
●【特設】高校選手権2021

TOP