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長崎が前橋育英のエースMF笠柳翼加入内定を発表!「ちょっとでも上手くなって、強くなってプロに」

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前橋育英高のエースMF笠柳翼V・ファーレン長崎入り

 V・ファーレン長崎は4日、前橋育英高(群馬)MF笠柳翼(3年)の22年シーズンからの新加入内定が決まったことを発表した。笠柳はU-18日本代表候補で、名門・前橋育英のエース。今夏のインターハイで2ゴールを挙げている前橋育英の10番に対しては複数のJクラブが関心を寄せていたが、練習参加した際に「みんな気軽に声を掛けてくれて、サッカーの調整をし合うし、私生活でもみんな優しく接してくれて、コミュニケーションの部分で何の隔てもなくできたのが、自分的には本当に良かったなと思いますし、そういうチームだとサッカーに集中できるのが凄く良いかなと思います」という長崎でのプロ入りを決断した。

 笠柳は前橋育英1年時に関東Rookie LeagueのMVP&得点王の2冠。昨年からAチームのレギュラーを務めてきた。相手DFの動きを見て剥がすドリブルが特長。「特にドリブルの部分とかでは、練習参加では特に意識しましたし、1対1の部分で果敢に仕掛けて行くというのは、自分は本当に決めていたので、そういう武器が見せれたのは良かった」と振り返る。

 ドリブルからのラストパス、シュートでゴールをもたらす一方、ゲームメーカーとしての力も魅力だ。質の高いポジショニングとボールタッチで攻撃の組み立てに参加。3日のプリンスリーグ関東・昌平高戦ではコロナのワクチン接種の影響で後半からの出場だったものの、正確なボールコントロールでタメを作ったほか、正確な繋ぎのパスで2点目のゴールを演出した。ゴール、アシストに加え、ゴールの起点になれる動きも見逃せない。

「ゴールからの3人目とかあまり見てもらえないんですけれども、自分は本当にそこが武器だと思っていて、(ゴールから)巻き戻した時の3番目か4番目には自分いつも係わっている。そういうところは見てもらいたいですし、逆にそれからどんどんアシスト・ゴールに近づけてもっと取って行きたいです」

 プロの世界で活躍するためには、よりドリブルの怖さをつけていかなければならないことを自覚。武器を備えて高校を卒業したい考えだ。以前、前橋育英のCB桑子流空主将(3年)が「翼がプロの練習会へ行って良い影響をチームに与えてくれている」と語っていたが、名門の中でも特別意識が高く、サッカーに懸けて努力してきた選手。その笠柳は前橋育英の3年間で磨いてもらった人間性の部分も表現できるプレーヤーになることを目指している。

「自分はまずは人として言われてきた部分があるので、自分が小さい時にサッカー選手を見て憧れて育ってきたので、自分もそういう子どもたちに元気とか勇気とか与えられる選手になりたいと思いますし、ファンの方々への礼儀や感謝の気持ちをいつも忘れずに高卒ですし、そういうところをしっかりしていきたい」と誓う。

 長崎の竹元義幸テクニカルダイレクターはクラブを通して、「笠柳選手は、非常にサッカーIQが高く、味方と関わりながらチャスを作り出せるセンスや緩急自在のドリブルからのシュートが魅力的な選手です。またゲーム中、常に賢く冷静にチームを引っ張ることのできる人間力も評価しています。練習参加した際も、その実力を発揮してくれました。現在、U-18日本代表チームでも活躍していますが、このまま日本サッカーを代表する選手に育ってくれることを期待しています」と期待のコメントを発表している。

 将来、五輪やワールドカップでの活躍や海外でのプレーを目指す笠柳は、1年目から長崎の戦力となり、勝利に貢献する意気込み。「1年目は本当に大事だと思います。そこで出てU-19とかU-20とかで呼ばれていけば。(パリ五輪代表入りは)厳しいですけれども、今(U-18世代の)ヒデ(甲田英將)とか仁郎(中村仁郎)とか選ばれていますし、世代をどんどん引っ張っていけるように。(代表に)食い込んでいくためには1年目は凄く重要かなと思っています。(そのためにも)ちょっとでも上手くなって、強くなってプロに入りたい」。「タイガー軍団」前橋育英のエースから、長崎の星へ。才能を磨き続け、長崎の勝利に貢献し、自身の将来を切り開く。

(取材・文 吉田太郎)
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