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U-16代表候補は明秀日立の強さに屈し、敗戦。同点弾のFW七牟禮蒼杜は「ななむれ」の名を全国に広める

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1本目36分、U-16日本代表候補はFW七牟禮蒼杜(長崎U-18)がゴール前のこぼれ球を押し込み、同点

[10.6 練習試合 U-16日本代表候補 2-3 明秀日立高 Jヴィレッジ]

 28年ロサンゼルス五輪世代のU-16日本代表候補が6日にJヴィレッジで練習試合(40分×2本)2試合を実施。第2試合では明秀日立高(茨城)と対戦し、2-3で敗れた。

 U-16日本代表候補は仙台育英高(宮城)との第1戦(2-0で勝利)の2本目終盤から出場したGK中村圭佑(静岡学園高)を除き、メンバーを総入れ替え。U-18日本代表候補歴を持つ右SB舩木大輔(横浜FMユース)やU-15世代の注目MF矢田龍之介(1FC川越水上公園)、エース候補のFW貴田遼河(名古屋U-18)らが先発した。

 明秀日立はMF中沢駿斗主将が先発を外れたものの、Jクラブ注目の194cmGK谷口璃成や全国レベルのCB長谷川皓哉ら主力選手たちが先発出場。伝統的なフィジカルコンタクトの強さと動きの量を活かしてU-16代表候補の攻撃を封鎖して見せた。

 そして1本目20分、明秀日立はこの日中盤で存在感ある動きを見せていた2年生MF村田楓太が相手のミスを突く形で左足シュートを決め、先制。だが、U-16代表候補は36分、右SB堺屋佳介(鳥栖U-18)のパスで右サイドを突いた貴田が右足を振り抜く。シュートは明秀日立GK谷口にセーブされたが、こぼれ球を狙っていたFW七牟禮蒼杜(長崎U-18)が身体を投げ出して左足で押し込み、同点に追いついた。

 七牟禮は「結果を残すことを一番に考えていて、決められて良かった。(年代別日本代表での)初ゴールだったので嬉しくてガッツポーズをしてしまいました」という歓喜の一撃。寮で同部屋だというU-17代表候補の先輩MF安部大晴から代表チームの活動内容などを聞いてイメージを持って前回、今回のU-16代表候補合宿に臨んでいるFWが結果を残した。

 U-16代表候補は森山佳郎監督が「守備は頑張って、流れの中からはそこまで酷くやられなかったのは、多少は前進した部分」と頷いたように、前回のU-16代表候補合宿(7月)から向上した部分を示した。だが、2本目9分、セットプレーから長谷川に決められて1-2。明秀日立は谷口がゴール前で堂々の動きを見せていたほか、空中戦で強さを示す長谷川やCB木村海斗、MF大山比呂が要所を封じ、決定打を打たせない。
 
 U-16代表候補は29分にも失点。セットプレーのこぼれを繋がれると、長谷川に左足シュートを叩き込まれた。U-16代表候補は左SB廣畑俊汰(神戸U-18)の折り返しをMF堀川大夢(流通経済大柏高)が狙うシーンなどがあったが、追撃することができない。アディショナルタイムにMF鈴木陽人(名古屋U-18)の右足FKがゴール前の混戦を抜けてそのままゴールイン。だが、もう1点を奪うことはできず、2-3で敗れた。コロナ禍で国際経験を積むことができていない世代は、課題の多い2試合に。技術・判断面も、肉体面も危機感を持ってレベルアップさせなければならない。

 同点弾の七牟禮は「チャンスが少ないと思っていたので、1回のチャンスを決められたのは良かった」と振り返る。一方で、前線でボールを収める動きは課題に。得意とする抜け出しからのシュートの質をより高めると同時に、課題にも精力的に取り組んでいく考えだ。

 七牟禮(ななむれ)という名は、非常に希少で印象に残りやすい名前。七牟禮は「『ななむれと言ったら、アイツしかいない』となるように頑張りたい」。クラブ、代表チームで結果を残し続けて珍しい名字を全国に広める。

(取材・文 吉田太郎)

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