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柏FW細谷2発でU-22日本代表候補が連勝! U-20全日本大学選抜候補はGK熊倉がPKストップ

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U-22日本代表が勝利した

[10.9 練習試合 U-22日本代表候補 2-1 U-20全日本大学選抜候補 Jヴィレッジスタジアム]

 AFC U23アジアカップ ウズベキスタン2022予選(10月末、Jヴィレッジ)に向けて福島Jヴィレッジで合宿中のU-22日本代表候補が9日、U-20全日本大学選抜候補と練習試合(45分×3本)を行い、2-1で勝利した。

 U-22日本代表候補はAFC U23アジア杯予選に向けて、幅広い年齢層の選手が融合している。冨樫剛一監督が「戦術的要素を頭の中で整理して、プレーに表せる選手が非常に多い」と評価するパリ五輪世代のチームに、99、00年生まれのMF郷家友太(神戸)、MF松井蓮之(法政大、川崎F内定)、SB山原怜音(筑波大、清水内定)、CB角田涼太朗(横浜FM)の“オーバーエージ”4人が加わっている。

「彼らは人としてもすごく信頼足る男たちなので、ピッチ内外ともに素晴らしい行動をしてくれています。そのなかでもプレーヤーとしての質をトレーニングから上げてくれているので、若いチームに彼らが与える役割は非常に大きい」と冨樫監督。合宿の中で連携を高め、6日に行われた横浜F・マリノスとの練習試合(45分×3本)には5-0で快勝していた。

 この日の1本目はキャプテンマークを巻いた松井をアンカーに据えた4-3-3でスタート。GK佐々木雅士(柏)やDF鈴木海音(磐田)、MF松岡大起(清水)らが先発した。U-20全日本大学選抜候補のプレッシャーに押されたが、SB畑大雅(湘南)とMF田中聡(湘南)のコンビネーションやワンタッチの縦パスから左サイドを崩していく。

 すると21分、U-22日本代表候補が均衡を破った。FW佐藤恵允(明治大)がクロスを入れると、FW細谷真大(柏)がPA内左から流し込み、先制に成功。細谷は28分にも背後に抜け出してMF甲田英將(名古屋U-18)のスルーパスを呼び込み、強烈な一撃を叩き込んだ。

 2-0で2本目に突入すると、23分、U-20全日本大学選抜候補が一気に9人を変更すれば、U-22日本代表候補も31分までに11人全員を入れ替えた。GKヒル袈依廉(早稲田大)やDF中野伸哉(鳥栖)が投入され、4-2-3-1にシステムに変更。MF藤田譲瑠チマ(徳島)がミドルシュートで狙う場面もあったが、互いにゴールレスで2本目を終えた。

 3本目は郷家とCB角田が投入されるが、立ち上がりに次の1点を奪ったのはU-20全日本大学選抜候補だった。5分にFW庄司夢ノ介(筑波大2年)がシュートを沈め、1点差に追い上げた。攻め込まれる場面もあったが、U-22日本代表候補はDFチェイス・アンリ(尚志高)のクリアやCB角田の冷静な対応で難を凌ぎ、追加点は許さない。

 3本目の18分にはDF大畑歩夢(鳥栖)のアーリークロスからFW藤尾翔太(水戸)がネットを揺らしたが、これはオフサイドの判定で認められなかった。すると20分、MF鈴木唯人(清水)がPKのチャンスを獲得する。鈴木が自らキッカーを務めたが、コースを完全に読み切ったGK熊倉匠(立正大1年)が横っ飛びでストップ。昨年度選手権優勝・山梨学院高の守護神が、得意のPKストップで3点目を阻止した。

 CB角田は守備陣を統率しつつ、機を見て果敢な攻め上がりを見せる。終盤にかけては4-4-2にシステムを変更し、さらに配置を動かしてオプションを試す。郷家とMF櫻井辰徳の神戸コンビがダブルボランチを形成する時間帯もあった。そのまま2-1で試合を終え、U-22日本代表候補はトレーニングマッチ2連勝を飾った。

 U-22日本代表候補はあす10日まで合宿を行い、U-23アジア杯予選では26日にカンボジア戦、28日に香港戦を戦う。

 コロナ禍で今年開催予定だったU-20W杯が中止になり、年代別代表は海外遠征の機会も奪われている。「代表のユニフォームで国際試合を、公式戦を戦える幸せはなかなか感じられなかった部分」と喜びをにじませた冨樫監督はアジアの戦いを見据え、「自分たちがやらないといけないことをしっかり整理して、立ち向かっていけるような、強いチームでありたい」と引き締めた。

(取材・文 佐藤亜希子)

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