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シャビ、涙とともに恩師アラゴネスを述懐「彼が亡くなったとき、自分が近しい人物と思えなかった。でも彼の家族から反対のことを言われた」

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スペイン黄金期の礎を築いたルイス・アラゴネス氏

 現在アルサッドで監督を務める元スペイン代表MFシャビ・エルナンデス氏が、同代表チームで指導を受けた故ルイス・アラゴネス氏を振り返った。

 アラゴネス氏はアトレティコ・マドリー、そしてスペイン代表で大きな足跡を残したスペイン・フットボールの伝説。スペイン代表ではEURO2008優勝を達成し、その後2010年南アフリカ・ワールドカップ、EUR02012で連続優勝も果たしていく同代表チームの黄金期の礎を築いた。その黄金期の柱であったのが、シャビ氏である。アラゴネス氏はEURO2008で、シャビ氏を中心としたポゼッションフットボールの実現に賭け、それが見事に的中。以降、シャビ氏はスペイン代表、さらにはバルセロナの絶対的オーガナイザーとして活躍を果たしたのだった。

 そしてスペイン『モビスタール・プルス』はこの度、2014年2月1日に白血病によって亡くなったアラゴネス氏についてのドキュメンタリー番組を制作。その中でインタビューに応じたシャビ氏は、アラゴネス氏との特別な関係について振り返っている。

 シャビ氏によれば、人付き合いが苦手な一風変わった人物として知られるアラゴネス氏との間には、ホテルで夜遅くまで熱く語らい合うなどしたEURO2008以降、距離を感じたこともあったという。しかし亡くなった後、自分がアラゴネス氏からいかに大切な存在と考えられていたかを思い知ったとのことだ。

「彼の訃報を聞いたときには泣いてしまった。あまりに大きな衝撃を受けた。次の日には、自分のキャリアの中でも最悪に数えられる一試合を演じた。僕たちはカンプ・ノウで負けてしまったんだ」

「何度か、彼に電話をかけたことがある。でも、彼には話をする気がないように思えた。会話はいきなり終わってしまうんだ。彼が亡くなったとき、自分が彼と十分距離が近いとは感じられなかった。彼にとってもそうだったんじゃないかって」

「だけど彼の家族に会ったとき、ルイスの頭の中にはいつも僕のことがあった、いつも僕について話していたと言われたんだ……。その言葉は、強く僕の心を打ったんだよ」

 そう語るシャビ氏の両目には、涙があふれていた。

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