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自らには反省向けるも周囲への賞賛止まらぬGK権田「そういうところが今の日本代表の強み」

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ビッグセーブでチームを救ったGK権田修一(清水)

[10.12 W杯最終予選 日本2-1オーストラリア 埼玉]

 チームを救った守護神は自身のパフォーマンスより、チームメートが見せた姿勢を誇らしそうに語った。

 日本代表GK権田修一(清水)はオーストラリア戦の前半14分、DFトレント・セインズベリーのヘディングシュートを冷静なパンチングで弾き出すと、その後も普段どおりに安定したプレーを披露。同41分にはFWアダム・タガートの決定機を左手一本で阻み、サウジアラビア戦に続いて失点のピンチから救ってみせた。

 後半25分にはFKを直接決められ、「僕自身ゼロに抑えられなかったことが悔しさで残っている」と悔やんだが、再び勝ち越した後の終盤戦は相手のパワープレー攻撃に対して「セカンドボールでアグレッシブに狙ってきていて、ゴールを開けるのは危ない」と我慢しながら対処。最後は相手のクロスボールに深く飛び出し、的確なキャッチで試合を締めた。

 それでも試合後、オンライン会見に出席した権田は「失点シーンについていいですか」と自ら切り出し、「日本代表でやっている以上、『素晴らしいシュートでしょうがない』といったら先はない。僕自身が止めることもそうだし、壁の作り方だったり、チームとして防げるように向上しないといけない」と淡々と語った。

 その上で自身のパフォーマンスではなく、短い準備期間で4-3-3の新システムを完遂したチームメートの働きに賞賛を向けていた。

「僕が何がすごいと思ったかというと、(帰国から)試合まで3日間しかない中で、初日はリカバリーだったので2日間で今日の試合を迎えた。僕たちもこの並びで行くのは直前で知ったが、準備力というか、このメンバーで行くと決まってからハーフタイム試合後とずっと話をし続けている。プレッシャーに行くのも、後ろからついてきてくれるという安心材料がないと行けないと思うが、それがあったから入りからアグレッシブな戦いができた」

 そう振り返った権田はベンチメンバーの働きの大きさも指摘した。

「この2試合目にすごく思うのが、スタメンで出ていない選手の準備。(古橋)亨梧、(浅野)拓磨、(柴崎)岳も、途中から出た選手が必要な働きをしてくれた。そういうところが今の日本代表の強み」と述べ、2試合連続でベンチを外れたDF橋岡大樹についても「悔しいかもしれないけど、ハーフタイムに冷たいタオルをかけてあげたりしていた」と紹介。「ブラジルW杯予選でもチーム全員で戦って結果を残せたが、いい方向にいいっているのかなと思う」と手応えを語った。

(取材・文 竹内達也)
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