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得意のドリブルを効果的に発揮し、1A。八千代は先発奪い返した10番MF木曽達貴が攻撃の中心に

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八千代高は10番MF木曽達貴が攻撃の中心となり、1アシスト

[10.17 選手権千葉県予選決勝T1回戦 渋谷幕張高 0-3 八千代高]

 先発を奪い返した10番が、対戦相手にとって怖い存在になってきている。八千代高の10番MF木曽達貴(3年=VIVAIO船橋SC出身)は序盤から流れの中で得意のドリブル突破。特別なスピードこそないものの、相手の逆を取る動きや力を受け流すような身のこなしでDFを剥がし、攻撃の中心になっていた。

 前半14分には、右サイドからのスルーパスで決定機を演出。渋谷幕張高は強度の高い守備を続けていたが、「練習とかでも相手との体の当て方であったり、空中のボールとかでも相手をしっかりとブロックしてマイボールにする練習を最近やっていて、それでコツを掴んだりできて、上手く相手を制御するのができてきている。カットインだけじゃなくて縦への突破や仕掛けもできるようになって、プレーの幅が広がってきたと思います」という木曽は失うことなくボールを収め、攻撃に繋げ、その突破で右サイドの主導権をもたらしていた。

 後半8分に左クロスから放った左足シュートが枠外へ。分厚い守りの渋谷幕張相手に、なかなか決定的な仕事をすることができなかった。それでも、後半40+2分、ドリブルでPAを攻略。MF榎本直紀(2年)のゴールをアシストした。一発を秘めた左足を振る機会がほとんどなく、「もっと打っても良い」と反省していたものの、存在感ある80分間。この夏、先発を外れた時期に自分を見直してきたことが好プレーに繋がっているようだ。

 以前は得意のドリブルに固執するあまり、球離れが遅くなり、チームのリズムを崩してしまっていた。自分のテクニックをチームのゴールのために活用すること。それに意識を傾けた結果、味方の攻撃に厚みを加え、チャンスやゴールに絡み、自分が決めることもできるようになったという。彼の技術が違いを生み出していることは明らか。豊島隆監督も「夏以降ですね。最近、吹っ切れている。グイグイ来ていますね」と頷いていた。

「中学校の頃から八千代高校の選手権とかを見させてもらっていて、やっぱりここに来てチームの中心となって選手権で全国に出て結果を残したいという思いがずっとありました。3年生になって、スタメンを取り返して10番という責任のある番号を頂いて、自分が果たすべき責任とかあるんですけれども、重圧とかも楽しんで、力に変えて、流経(流通経済大柏)や市船(市立船橋)の試合で自分が点に絡んでチームを全国へ導きたいと思っています」と木曽。10番を託されたレフティードリブラーが、八千代にの攻撃にリズムを生み出し、試合を決める。

(取材・文 吉田太郎)
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