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選手権日本一、国体選抜の仲間に追いつくことも目標。守備特長の八千代MF尾形陸が初戦で先制弾

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前半2分、先制点を決めた八千代高MF尾形陸がガッツポーズ

[10.17 選手権千葉県予選決勝T1回戦 渋谷幕張高 0-3 八千代高]

 チームにとって欠かせない存在のボランチが、八千代高に先制点をもたらした。前半2分、八千代はセットプレーの2次攻撃でMF榎本直紀(2年)が縦パス。これをMF尾形陸(3年=順蹴FA出身)が右足ダイレクトで決めた。

 難敵・渋谷幕張高から、電光石火とも言える先制点。尾形は「(榎本が)ピンポイントで出してくれたので、あとは合わせるだけでした。ピッチがあまり良くない状態だったので、1タッチで入れようということは意識していたので、あとはコースを狙って1タッチで流し込むだけでした。自分が最初、先制点を早めに取って、チームの勢いがより増したと思っているので、早い段階で得点できてとても良かったと思っています」と微笑んだ。

 この日はビルドアップでボールに絡む回数を増やせなかったことを反省。だが、「雨の中でのプレーだったんですけれども、自分のやるべきヘディング、セカンドボールの回収、球際の強さというのは、自分的には発揮できたと思っています」と自己評価する。

 渋谷幕張がロングボールのセカンドボールを拾って攻撃しようとしてくる中、運動量を増やして対応。中盤で潰し切れなかったところはDFラインが素早くカバーするなど連係も良く、チャンスらしいチャンスをほとんど作らせなかった。

 豊島隆監督が「彼が中盤にいるのといないのとでは全然違います。尾形が真ん中にいると守備は安定します」と信頼するボランチ。インターハイ予選はチーム事情でCBを努めていたが、再び中盤に入ったことでチームを引き締めている。

 本人はCBの経験をしたことを前向きに捉えている。「ビルドアップや守備面で中盤と違うものが得られて、今ボランチでプレーするのに活きていると思います」。中学時代から走ることを特長としていたプレーヤーは、高校進学後に危機感を感じ、切り替えの速さや肉体を強化。ボール奪取や球際の部分で勝負できる選手へ進化してきた。さらに、CBの経験も加え、存在感を放つMFは選手権日本一、そしてライバルたちに追いつき、追い越すことを目指している。

 尾形は高校1年時にU-16千葉県選抜の一員として国体出場。当時のチームメートだったCB田中隼人とFW真家英嵩は柏トップチームへ昇格し、CB大和優槻(全て3年、柏U-18所属)も甲府入りを決めている。「彼らに負けないくらい頑張って、追いついて行こうという気持ちでいます」。関東の強豪大学へ進学予定の尾形は、MF山口蛍(神戸)を目標に、攻撃を構築する力や武器を磨いてプロの世界を目指す。

 まずは八千代の選手権出場に集中。「欠かせない存在」としての自覚を持つMFは怪我で関東大会に出られなかった悔しさも込めてチームのために戦い、勝利へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
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