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ユース取材ライター陣が推薦する選手権予選注目の11傑vol.2

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森田氏が推薦するMF藤田仁朗(滝川二高3年)

 第100回全国高校サッカー選手権の都道府県予選は、各地で熱戦が繰り広げられている。ゲキサカでは「選手権予選注目の11傑」と題し、ユース年代を主に取材するライター陣に選手権予選注目の11選手を紹介してもらいます。第2回は関西の高校生を中心に各カテゴリーを精力的に取材する森田将義氏による11名です。

 森田将義氏「10月に入ってから、インターハイで活躍したMF松木玖生(青森山田高、FC東京内定)、MF佐野航大(米子北高、岡山内定)のプロ入りが発表されましたが、注目すべき選手は彼らのような陽の目を浴びる選手だけではありません。高校最後の年を迎え、精神的に逞しくなり、一皮剥けてきた選手、入学してからグッと伸びている下級生などインターハイを逃した高校にも、魅力ある選手は数多くいます。そうした中から、選手権でブレークしそうな将来性十分な選手をピックアップしました」

以下、森田氏が推薦する11名

GK栗村真尋(海星高3年)
4年ぶりの選手権出場に貢献した昨年よりも、更に逞しさは増している。最後尾から繰り出す的確なコーチングで、まとまりのある守備を統率するだけでなく、飛距離十分なキックも魅力十分。自陣からのリスタートを相手ゴール前へと運び、チャンスを作れる守護神だ。

DF西岡隼平(興國高1年)
身体能力の高さは、J内定選手を複数揃えるチームの中でも目を惹く。ヘディングの飛距離はチームでも屈指で難しい体勢でも、相手エリアへと飛ばせる。スピードも十分で相手に出遅れても難なく追いつける。FWからコンバートされて半年ほどで、定位置を掴みつつある注目株だ。

DFモトハシ・ヨシト(京都共栄高3年)
J3富山への加入が発表されたMFガブリエル・エンリケ(3年)のプレーが注目されがちだが、彼と同じくブラジルの名門サントスから来たCBも面白い。DFとしては上背がないタイプだが、打点の高いヘディングによって、ことごとくロングボールを跳ね返す。

DF八十島陸翔(鵬学園高2年)
武器は、186cmの身長を活かした競り合いごとの強さ。入学直後からCBの定位置を掴み、Jのスカウトも潜在能力の高さを認める選手だ。2年目を迎えた今年は、赤地信彦監督の指導によって、相手との駆け引きが向上し、DFリーダーとしての佇まいを見せている。

DF中井陸人(作陽高3年)
正確な技術力が目を惹く左SB。昨シーズンは強力な先輩アタッカーのサポート役に徹していたが、最終学年を迎えた今年は、より攻撃に力を入れ、積極的にサイドを駆け上がる回数が増加。高い位置からのクロスで得点シーンを呼び込む。

MF田部健斗(広島皆実高3年)
相手に捕まらないポジショニングから、推進力溢れるドリブルを繰り出すアタッカー。1年生の冬に腰を怪我してからは負傷を繰り返し、持ち味を出し切れているとは言い難いが、能力の高さは確か。「100回大会という記念すべき大会に絶対出る」と意気込みを口にする。

MF深津佑太(名経大高蔵高3年)
ボランチとしてプレーした昨年までは、機が利く守備が目を惹いた。自身も「上手い選手が多かったので、守備など違う部分で貢献しようと思っていた」と振り返るが、トップ下としてプレーする今年はテクニックの高さを活かしたドリブルで、攻撃を牽引する。

MF畑下葵(近大和歌山高2年)
展開力と守備センスを備えたボランチ。セレッソ大阪和歌山U-15時代はキャプテンを務めており、県外の強豪からも誘いを受けたが、「このチームなら全国に行ける」と近大和歌山を選択。現在は、「1年生の怪我明けに投げてみたら、飛んだ」というロングスローも大きな武器になっている。

MF藤田仁朗(滝川二高3年)
高い技術とアイディア溢れるプレーで、他との違いを作れる司令塔だ。今夏にはJ2北九州の練習参加を経験し、MF高橋大悟から多くのアドバイスを貰い、成長の糧を得た。予選では、チームでの課題だった勝ちたい気持ちを前面に押し出し、勝利に導く活躍を見せてくれるはずだ。

FW冨士村優(徳島商高1年)
持ち味は50m6秒台前半で走る快足。相手との駆け引きも上手く、対峙するDFが冨士村を厄介な相手だと分かっていても、簡単には止められない。まだ粗削りではあるが、試合に出れば、必ず決定機を作れるFWだ。インターハイ予選決勝で敗れた徳島市立高へのリベンジを誓う。

FW吉田晃盛(九州国際大付高3年)
これほどまでにストライカーのポジションが似合う男は、いない。前線で泥臭く身を投げ出す姿や、強引なまでにゴールへ突き進む姿からは、得点への飢えを感じさせる。一時はスランプに陥ったが、「自分は何が武器なのか、もう一度見つめなおした」春以降は一皮剥け、より怖さが出た

執筆者紹介:森田将義(もりた・まさよし)
1985年、京都府生まれ。路頭に迷っていたころに放送作家事務所の社長に拾われ、10代の頃から在阪テレビ局で構成作家、リサーチとして活動を始める。その後、2年間のサラリーマン生活を経て、2012年から本格的にサッカーライターへと転向。主にジュニアから大学までの育成年代を取材する。ゲキサカの他、エル・ゴラッソ、サッカーダイジェストなどに寄稿している。
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