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選手権見て憧れ、南アルプス市から名門・秋田商へ。カンテ目標の2年生ボランチ・有泉楓馬が回収力発揮

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秋田商高の2年生MF有泉楓馬が回収力などを発揮した

[10.21 選手権秋田県予選準決勝 西目高 0-2 秋田商高 ソユスタ]

 中学時代に選手権で見た名門に憧れ、地元を離れて勝負している。秋田商高MF有泉楓馬(2年)は山梨県南アルプス市の出身で、中学時代は強豪・Uスポーツクラブでプレー。18年度選手権でベスト8へ勝ち進んだ秋田商の姿を見て、憧れ、進学を決意したボランチはこの日、チームが押し込む要因を作り出していた。

「自分のやるべきことはセカンドボール拾ったり、中盤で相手に自由を与えないということなので、それを徹底してできていたので良かったと思います。前線の選手がコースを限定してくれたので自分も予測しやすかったり、狙いやすかったので、前線の選手の追い方があっての守備でした」と有泉。前線の選手たちのプレッシングに呼応する形でボールを高い位置で奪い取り、1タッチ含めてボールを散らして2次攻撃に繋げていた。

 試合終盤でも運動量を落とさず、個で中央突破して決定機を作り出すシーンも。元々運動量、ゲーム体力に自信があるというボランチは秋田商でその武器に磨きをかけている。「あとは応援とかあったのでスイッチ入りました」。豊富な運動量、ハードワークで秋田商の球際、走る、戦う、守るというコンセプトの基準値を高めている。

 小林克監督も「ボール回収をしっかりしてくれるし、サイドにしっかりと散らしてくれるので、もう一人のボランチの米谷海(2年)とお互いを見ながらバランス良くやるようにと言っていて、ようやく形になってきたかなと思います」と評価。ややリズムの悪い時間帯もあったが、ほぼ相手にペースを渡さず、決勝進出に貢献した。

 有泉は秋田商へ進学した理由について、「選手権ベスト8行った時の全国大会1回戦を見た時に、ピッチであったり、スタンドが一丸となって戦う姿が格好良かったですし、ピッチ外の行動が凄く素敵だったので自分もああいう人になりたいと」と説明する。

 地元を離れての生活は大変な部分もあったという。だが、「雪が本当に凄くて、最初戸惑うこともあったけれどサポートのおかげで。(入学からの1年半で成長できたのは)自分で行動することです」。プレーヤーとしてはもちろん、自発的に行動することを学び、人間的に成長できたと実感している。

 目標はプレースタイルが重なるフランス代表MFエンゴロ・カンテ(チェルシー)。その有泉は決勝へ向けて、「入学してきてから悔しい思いしかしてきてないのでこの100回大会は絶対に出て、秋商が強いというところを見せつけたいです。自分は黒子役で、前線の選手や周りの選手を助けるプレーがしたいです」。全国切符を必ず勝ち取り、サポートしてくれた家族や仲間、スタッフたちに恩返しする。

(取材・文 吉田太郎)
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