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声と読み、そして勇気で浦和西の高さに対抗。細田学園CB吉岡陸斗は激闘制し、次は注目選手の旧友超えへ

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細田学園高CB吉岡陸斗(4番)は安定した守りで延長戦勝利に貢献

[10.23 選手権埼玉県予選3回戦 浦和西高 1-2(延長)細田学園高]

 細田学園高はインターハイ予選3回戦で浦和西高に1-4で敗戦。リベンジマッチで徹底したポゼッションとともに光ったのは、DF陣の奮闘だ。上田健爾監督が「この半年くらいで凄く安定してきた」と評した守備。対戦相手の浦和西は前半だけで9本のロングスローを投じたほか、ゴール前へボールを次々と入れて侵入してきていた。

 細田学園のCBは吉岡陸斗(3年=朝霞市立朝霞第二中出身)が172cmで、島村龍征(3年)も170cm。高さがある訳ではない。だが、特にセットプレー練習に注力してきた彼らは競るべきところで必ず競り、セカンドボールへの反応も速かった。

「練習からセットプレーだけを中心にやっていて、(高橋諭)GKコーチからも前半後半で30本あると言われていたので、そこを自分たちは30本耐えるつもりで頑張っていました」と吉岡。また、自身よりも15cm近く高い浦和西FW小池耀晟(3年)へのロングボールに対しては、「勇気を出して」助走をつけてアタックした。

 そして、島村と声を掛け合いながらチャレンジアンドカバー。上田監督は「センターの2枚はサイズもないですけれども、よくゲームを読んでやっていますね」と評していたが、読みと勇気で相手の高さや鋭い仕掛けと渡り合い、失点はオウンゴールによる1点のみで切り抜けた。

 吉岡は「リベンジもあったのでみんなで頑張れたと思います」。そのCBは高校進学後、コーチングの部分で最も成長したという。初戦はその強みを出しきれなかったというが、2回戦、そして3回戦は「みんなを鼓舞してチームに貢献できたかなと思います」。旧友と対戦する準々決勝でも自分の強みを最大限発揮しながらゴールを守り抜く意気込みだ。

 準々決勝で対戦する名門・武南高の注目DF中村優斗(3年)はAZUMA FC、朝霞市立朝霞第二中時代のチームメート。「小学校の頃からドリブルもパスもシュートも全部上手いけれど、付け入る隙はあると思う」。細田学園のDFラインは右SB小川颯(3年)、左SB五十嵐隆成(3年)もAZUMA FC、朝霞第二中出身で連係面は抜群。中村の攻撃力は全国トップクラスと言えるものだが、吉岡は知り尽くしている旧友を現在のチームメートたちとともに封じ、武南を無得点に抑えて初の4強入りを勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
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