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腕章を託されたU-22日本代表MF郷家「この年代に呼ばれた意味」を表現

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U-22日本代表MF郷家友太(神戸)

[10.28 AFC U23アジアカップウズベキスタン2022予選 U-22香港代表0-4U-22日本代表 Jヴィレッジスタジアム]

 香港戦でキャプテンマークを託されたのはプロ4年目のMF郷家友太(神戸)だった。アンダーの日本代表として国際試合のピッチに立ったのは、ポーランドで行われた2019年のU-20ワールドカップ以来となった。

 U-22日本代表では最年長の世代。今回の代表はパリ五輪世代をベースに、“オーバーエイジ”的な立ち位置で4人が加わっているが、中でもJ1で実績を積み、U-19アジア選手権やU-20ワールドカップに出場してきた郷家の経験値は抜きん出ている。

「正直、最初呼ばれたときは何でこのタイミングでこの年代に自分が呼ばれたのか考えさせられたというか、分からなかったんですが、今月の候補合宿に来て、メンバーを見たときにU-20W杯を経験しているのは自分しかいないというのは思いましたし、それをみんなに還元しなければいけない役割はたしかにあるなと思った。冨樫監督に僕の世代のメンバーが呼ばれて、僕たちを呼んだ意味というのをしっかり伝えてくれました」

 今年、開催が予定されていたU-20W杯インドネシア大会はコロナ禍で中止となる憂き目にあった。「この年代はW杯が中止になって悔しい気持ち、もったいない気持ちをみんな持っていると思う。こういうご時世で国際試合を開いてもらえたことに感謝して、自分の気持ちに正直にピッチで表現しよう」。腕章を託された郷家は円陣でそう伝え、「みんなピッチで表現してくれたと思います」。

 チームは5バックで引いて守る相手に対して、チャンスを量産しながらも前半は1点のみと苦戦した。「3人目の動きがもっとあってもいい。スルー、フリックをどんどん使えたら崩せたというのは個人として思ったことで、その回数をもっともっと増やしていけたら」と課題は見えている。

 郷家は4-3-3のインサイドハーフを担い、幅広いスペースに顔を出してボールに絡み、ゲームを組み立てた。2-0で迎えた後半18分、MF佐藤恵允(明治大)のスルーパスで前線のスペースへ抜け出すと、PA内右から右足で流し込み、左ポストに当たったシュートはゴールへと吸い込まれた。自らの得点で勝利を決定づけ、後半24分にベンチに下がった。

 連勝を飾った日本は本大会出場を決めたが、「本戦の出場が決まっただけ。本戦を見据えてクラブに帰ってやろうというのはみんな話していましたし、ホッとしている気持ちは1ミリもないと思います」。アジアカップは来年6月、ウズベキスタン開催予定。「ウズベキスタンでは、相手には僕の世代が出てくるので僕自身も負けられない」。下の世代へ経験を伝え、チームをけん引しつつ、自らの進化を見据えた。

(取材・文 佐藤亜希子)

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