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「マサカズさんのためにも」J2首位磐田、指揮官に捧げる90+7分土壇場逆転劇

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MF山田大記が決勝点

[10.30 J2第36節 大宮1-2磐田 NACK]

 ジュビロ磐田鈴木政一監督の検査入院を発表してから約4時間後のキックオフ。あわただしさの中で行われた試合で、アウェー席を陣取ったサックスブルーのサポーターが飛び上がって歓喜した。アディショナルタイムもほぼ使い切った90+7分。磐田が土壇場で2-1とする勝ち越しゴールを決めた。

「とにかく、マサさんが作ってきたチーム。その流れを止めないこと、選手がストレスを感じないでプレーできることを意識して、この1週間やってきた」

 こう話したのは服部年宏コーチだ。27日に体調不良を訴えた鈴木監督に代わり、その夜にあった天皇杯から暫定的に指揮。得点ランキング1位の20得点を挙げているルキアンを出場停止で欠く中、価値ある勝ち点3をもぎ取った。

 試合は高いボール保持率を誇る磐田が主導権を握りながら進むかと思われたが、前半9分、セットプレーからあえなく失点。その後はサイド主体の攻撃から真ん中に起点をつくる形へと修正しながらチャンスを増やしていったが、なかなか点が入らず、もどかしい時間が続いた。

 膠着した流れを打破したのは、今季リーグ初先発のFWファビアン・ゴンザレスだ。後半8分、大宮MF三門雄大からボールを奪取。MF遠藤保仁、F・ゴンザレスとつないで最後はMF山本康裕が決めて1-1とした。

 終盤も磐田が大宮に圧力をかけていったが得点に結びつかない嫌な展開が続いた。90+5分には途中出場から効果的な攻撃を見せていたFW大津祐樹の右足シュートがバーに当たって上へそれていく場面もあった。

 ところが、このまま引き分けに終わるかと思われた90+7分。最終ラインからのロングフィードでこぼれたボールをMF山田大記がすかさずシュート。相手DFの股を抜いて決まった。

「マサカズ監督が体調不良なので、監督のためにも自分たちの勝利が力になればと思っていた」。F・ゴンザレスがそう言うと、思い切りのよいシュートで決勝点を入れた山田は、「マサカズさんの体調がすぐれないということで、ハットさん(服部コーチ)からも『マサカズさんのためにも』という話がありました。選手の中でも少しでも良い報告をとみんな思っていた。それも含めて結果が出て良かった」とほっとしながら言った。

 マサカズさんのために――。レジェンド監督へJ1復帰の吉報を届けるべく、選手は残り6試合へ向かう。

(取材・文 矢内由美子)

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