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[MOM3618]長野日大FW傘木大翔(3年)_1G1A!武器のスピード活かし、インパクト絶大のプレー

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長野日大高FW傘木大翔は快足を活かし、1ゴール1アシストの活躍

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.30 選手権長野県予選準決勝 都市大塩尻高 2-2(PK3-4)長野日大高 サンプロアルウィン]

 武器は学生時代にバスケットボールをやっていた父親から譲り受けた50m6秒1の俊足。「チームで一番足が速い自信がある」と笑みを浮かべる長野日大高FW傘木大翔(3年=長野市立裾花中出身)が決勝行きをかけた大一番で、持ち味を存分に発揮した。

 最初の見せ場は、試合開始直後の前半4分。DF若林尚弥(2年)からのロングボールに傘木が素早く反応すると、「練習でもあんなのは出来ない」と振り返るほど見事なトラップでボールをおさめた。そのままゴール前まで持ち込んだ傘木は、ゴールへの戻りが遅れたGKを見て、ループシュート。本人は「そのまま入れば良いと思っていた」が、上手く後方から走り込んだFW笠原大靖(3年)へのパスとなり、先制点が生まれた。

 2度目のチャンスは、前半13分。左サイドでMF石黒崇成(2年)がボールを奪うと、PA左にスルーパスを入れた。反応したのは、「開始15分は、裏を取るというのが、チームとしての決まり事だった」と話す傘木。先にボールを追いかけたDFよりも早くボールに触り、ドリブルから降り抜いた左足シュートが、ポストに当たりながらゴールネットに突き刺さった。

 傘木の貢献は攻撃だけに留まらない。「傘木に追いつける人は見たことがない。誰よりも一生懸命ボールを追うし、守備に関しても危険な時はしっかり身体を張ってダッシュで向かうし、本当に頼れる存在です」と話すのは、主将のMF徳竹奏太(3年)。中澤真明監督から、「交代はいるから、最後まで走り切れ」との指示を受け、前線からのプレスを徹底し、後方の負担を軽減。後半28分にピッチから退くまで見せたプレーのインパクトは絶大だった。

 小学1年生でサッカーを始めてから、FW一筋でやってきたが、今年の夏にはけが人が相次いだチーム事情もあり、サイドハーフとしてプレー。慣れないポジションに苦しんだ結果、点が獲れなかった。選手権直前になってから、「自分はゴールを奪うのが凄く好きで、それにサッカーの喜びを感じる」傘木にとって愛着のあるFWに復帰。今大会は、有観客での開催となっているのも彼にとっての励みとなっており、「親にサッカーを凄く支えてもらっていた。親の前でゴールが奪えるのは、凄く嬉しい。家に帰ったら、親にナイスゴールと言ってもらえるので、それで次も頑張ろうと思える」と口にする。

 卒業後は憧れの消防士を目指して勉強をしていくため、本格的にサッカーに取り組むのは、選手権が最後となる。これまで取り組んできた成果を全て出し切るには最高の舞台だ。「決勝で当たる市立長野とは新人戦の地区予選の決勝でやっている。試合には勝てたけど、点が獲れず個人的に悔しい思いをしたので、次は自分が点を獲ってチームを勝たせたい」。そう意気込む傘木からは、2戦続けて大暴れしてくれそうな雰囲気が漂っている。

(取材・文 森田将義)
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