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[MOM3635]宮崎日大DF石川大翔(2年)_福井太智には負けられない!先制弾とクレバーな守備で成長の跡を示した鳥栖育ちの左SB

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先制弾を挙げた宮崎日大高DF石川大翔は攻守に躍動

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.3 選手権宮崎県予選準決勝 宮崎一高 1-3 宮崎日大高 ひなた宮崎県総合運動公園サッカー場]

 強烈なヘッドで先制弾を決めれば、守っても冷静かつ堅実な対応で相手に仕事をさせない。サガン鳥栖U-15から宮崎日大高に進学したSBが成長の跡を示し、勝利に貢献した。

 左SB石川大翔(2年=サガン鳥栖U-15出身)に訪れた最初の見せ場は開始早々の前半2分。MF渡邉凜紅(3年)の左CKに頭で合わせた。「身長は大きくないけど、CBをやっていた中学時代からヘディングに自信があった」と言い切る武器をいきなり披露し、チームに貴重な先制点をもたらした。

 19分に2点目が生まれた以降はチームとして積極性が失われ、前にボールが入らない。1本もシュートを打たれなかった前半とは打って変わり、後半は守備の時間も増えた。難しい試合展開になったが、石川は状況を見極めて冷静に対応する。

「彼は抜群。勝負どころを分かっている。2点リードになったので、『前に行かず、肝心なところだけを締めておけば大丈夫』というプレーをしていた。サッカーIQが高い。中学時代に日本一を経験しているので、百戦錬磨の選手です」。

 南光太総監督も太鼓判を押すクレバーなプレーで、最後まで最終ラインを支え続けた。

 1年生だった昨季もレギュラーでプレーし、選手権予選の決勝では2アシストを記録。攻撃で存在感を示した一方で、守備では立ち上がりに不安定な一面を覗かせていた。しかし、2年生となった今季は経験を積み、宮崎一高との準決勝では試合を通じて安定したパフォーマンスを披露。「状況とかスペースとかを見ながら、自分のポジショニングは取れていた」と本人が冷静に試合を振り返った通り、相手の立ち位置を見ながらピンチを未然に防いだ。

 中学時代は夏のクラブユース選手権で優勝を経験。しかし、鳥栖U-18に昇格はできなかった。もちろん悔しさはあり、見返したいという気持ちは強い。その想いがあったからこそ、宮崎日大で大きく成長できた。石川は言う。

「高校入学後にフィジカル面を磨き、宮崎日大のパスサッカーを経験してサッカーIQが成長したと実感しています」。

 また、鳥栖で共に戦ったかつてのチームメイトも自身の刺激になった。とりわけ仲が良かったMF福井太智の活躍は嬉しさを感じていると同時に、自分の成長意欲を駆り立てる原動力になっている。

「福井がJデビューをしているので、自分も頑張らないといけない。今も連絡を取っていて、世代別代表やJリーグで活躍したら、僕から連絡を入れて、『お互いに頑張ろう』という話をしています」

 今までは旧友の活躍を見守る側だった。しかし、今度は自分の番だ。

「2連覇できるのは僕たちしかいない。ベンチ外の選手の気持ちも背負って連覇を成し遂げたい」。

 刺激を貰う側から、刺激を与える側へ――。鳥栖時代の仲間に成長した姿を届けるべく、成長著しい宮崎日大の注目SBは予選を突破し、全国舞台での活躍を誓う。

(取材・文 松尾祐希)
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