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日本代表リストが“ドイツ式”に変更、その理由は…森保監督「次から全部フィールド登録でいいかなと」

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ポジションリストに変化があった

 4日に発表されたカタールW杯アジア最終予選2試合に臨む日本代表メンバー。初招集のMF三笘薫やDF旗手怜央ら五輪世代の台頭が大きな注目を集めるが、公開された選手リストにもひそかな変化があった。ポジション表記が従前の「GK・DF・MF・FW」の4区分から、「GK・DF・MF/FW」の3区分になっていたのだ。

 これは攻撃的MFとFWの垣根が小さくなった現代サッカーの潮流を踏まえた方式で、世界を見渡せばドイツ代表も同様の枠組み。この日の発表会見で、報道陣から意図を問われた森保一監督は次のように説明した。

「これまでGK、DF、MF、FWという表記でメンバー発表をしていたが、FWとMFのところは特にだが、FWの表記でMFでプレーしてもらったり、MF登録でFWとしてプレーしてもらう選手がいる。またDFの登録でもMFの役割をしてもらうことがあった。特に攻撃的なMFとFWではどっちで起用するか決まっていないことが多く、FWが多いとか少ないとか混乱させてしまうことがあるのでこういう形にさせていただいた。今回は2試合だが、長期の大会では『複数のポジションをやってもらう可能性がある』ということを選手に発信しており、そういったことをこの表記でお伝えできればと思っている」。

 攻撃的MFとFWの登録変更は現在の招集メンバーにも見られたものだ。

 たとえば鎌田大地(フランクフルト)は1トップでの起用が想定されていた2019年3月、FW登録で初招集。トップ下での起用が増えていくにつれて、20年10月のオランダ遠征からMF登録となった。また浅野拓磨(ボーフム)もこれまで一貫してFWで登録されていたが、ウイングで起用された今年10月にMF登録へ変更。一方、古橋亨梧(セルティック)は19年11月にMF登録で初めてA代表入りしたが、今年9月からFW登録になっていた。

 もっとも、登録ポジションの変更はMFとFWの間だけではない。次に多いのはボランチとセンターバックの両方でプレーできる選手だ。

 現在のメンバーでは当初DF登録だった遠藤航(シュツットガルト)のほか、東京五輪組の中山雄太(ズウォレ)、板倉滉(シャルケ)が該当。中山は19年5月にDF登録で初招集されたが、同時期に発表されたコパ・アメリカではMF登録。また板倉は初招集のコパ・アメリカはDF登録だったが、同年8月のA代表活動はMF登録だった。さらに20年10月のオランダ遠征では板倉がDF登録、中山がMF登録とポジションが逆転。現在はともにDF登録となっている。

 また今回新たに招集された旗手はさらにポリバレントな選手。東京五輪で担った左サイドバックと左サイドハーフだけでなく、所属先ではインサイドハーフでもプレーしており、かつてはストライカーとしても起用されてきた。この日の発表会見では、旗手がDF登録となっていることを問う声も上がった。

 すると森保監督は「次から全部フィールド登録でいいかなと思っている」と返答。「川崎Fでは前線のインサイドハーフをやることが多いが、両方ともできるということで今回はDFで置いているという認識でいてもらえれば」と述べた上で「表記にとらわれず起用していきたい」と見解を語った。

(取材・文 竹内達也)
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