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「それ以外、何もできていない」東京五輪で悔しさ味わった三笘薫がA代表初招集…森保監督も「彼の攻撃力は武器」と期待

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日本代表初招集を果たしたMF三笘薫(ロイヤル・ユニオン・サンジロワーズ)

 Jリーグを席巻し、夏に海外へと渡ったドリブラーが日本代表初招集を果たした。森保一監督はMF三笘薫(ロイヤル・ユニオン・サンジロワーズ)に期待を寄せる。「彼の攻撃力は武器になる」と――。

 20年に筑波大から川崎Fに加入した三笘は、初年度から特大のインパクトを残した。独特のリズムを刻むドリブルを武器に相手守備網を切り裂き、幾度となくゴールを演出。13得点と結果も残して川崎FのJ1制覇に貢献し、自身はベスト11に選出された。そして、2年目を迎えた今季も川崎F攻撃陣をけん引し、東京五輪後にはプレミアリーグのブライトンに完全移籍。今季はベルギー1部のロイヤル・ユニオン・サンジロワーズでプレーすることになった。

 9月12日のリーグ第7節ゲンク戦でデビューを飾り、同21日のカップ戦レブベーケ戦で移籍後初ゴールを挙げたが、加入直後は出場機会を多くつかめたわけではない。しかし、10月16日のリーグ戦第11節スラン戦で大爆発。前半だけで2点のビハインドを背負い、退場者を出して10人での戦いを強いられる厳しい状況の中、後半から出場すると、驚異的なパフォーマンスを披露する。

 後半10分にリーグ戦初ゴールを記録し、同21分にはスルーパスから最終ライン裏を突いて2点目。そして、同45分にはカウンターからドリブルで運び、得意の緩急をつけた突破で相手DFを置き去りにしてハットトリックとなるゴールを奪取し、チームを4-2の逆転勝利へと導いた。その後のリーグ戦では2試合連続先発出場を果たすなど、チーム内での存在感を高めてA代表初招集を果たした。

 東京五輪代表時代から指導する森保監督は、「彼の攻撃力はこれまでも五輪代表チームで武器として使わせてもらった。所属チームでレギュラーとして出始め、彼がヨーロッパで戦う中で、しっかりと力をつけてきていると確認できた。日本代表の戦力としても、彼の攻撃力は武器になることで招集させたもらった」と招集の意図を説明。そして、課題となる守備面での成長を感じられたことも今回の招集につながったと明かしている。

「守備の部分ではまだまだインテンシティ等々、上げていってもらいたいところはある。だが、所属チームでウイングバックでプレーし、攻撃も守備もハードワークしながら、インテンシティ高くプレーしないといけないポジションを彼はしっかりこなせている。厳しいW杯アジア最終予選の中でも十分に力を発揮してくれるだろうと思った」

 東京五輪世代の代表チームにはコンスタントに招集されてきた。しかし、所属クラブで見せてきた圧倒的なパフォーマンスを披露する機会は限られ、本大会でも悔しい思いをした。最終戦となった3位決定戦メキシコ戦では切れの違いを見せ付け、1ゴールを記録したものの、チームは1-3で敗れて銅メダルには手が届かなかった。

 大会後には「最後にゴールを決められたけど、それ以外、何もできていない」と唇を噛み、「五輪だけでなく、スタメンで出られるような選手にならないといけない。海外でプレーする選手を見て、足りないところはしっかりと感じられた」とさらなる成長を誓い、海外へと旅立った。五輪からの進化を証明する機会を得た。まずはトレーニングからアピールし、自身の存在価値をピッチ上で示したいところだ。

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