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紙一重の差で準決勝敗退。ポジティブな声がけで芦屋学園支えたGK久保優主将は後輩へ「嬉し涙を流して欲しい」:兵庫

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芦屋学園高GK久保優主将はポジティブな声がけが印象的

[11.3 選手権兵庫県予選準決勝 芦屋学園高 1-2 相生学院高 三木陸上]

 後半40+7分にMF政安宏承(3年)が決めた同点ゴールが紙一重のオフサイド判定で取り消しに。執念の一撃を全員で喜んでいた芦屋学園高にとって、受け入れがたいような敗戦となった。試合終了の笛が鳴ると、崩れ落ち、呆然とする選手たち。それでも、時間が経ち、敗戦を受け止めた選手たちは、コーチ陣と記念撮影を行うなど、自分たちの健闘を称え合っていた。

 15年度以来となる決勝進出には惜しくも届かなかったが、今年はインターハイ予選で滝川二高を破るなど3位。そして、選手権予選でもプリンスリーグ関西勢の三田学園高を破って準決勝まで駒を進めた。

 そのチームを後方から支えたのが、GK久保優主将(3年=尼崎市立小田北中出身)だ。試合中、ポジティブなコーチングを連発。味方の好プレーに「ヤバいな!」「ヨッシャ―!」と発したり、具体的な言葉で褒めたりしていたほか、フロントコートで試合が進む中、後方で一人ガッツポーズして喜んでいるようなシーンもあった。

「最後の大会なので。練習試合とかやったら求めること、『オマエ、ちゃんとやれ』とか言うんですけれども、選手権で最後の舞台でどう向上心持って楽しむか。何を楽しむかと言ったら、点を獲ることや良い雰囲気でやることが僕は好きなので、キャプテンとして良い雰囲気を作りたいと思っていました」

 本人曰く、「最初は反対されていた」というキャプテン就任。後輩から指摘されるなど、上手くチームをまとめることができなかった。だが、「後輩が言ってくれて変わったし、サッカーがめちゃくちゃ好きになりました」と久保。「明るくて、元気な」世代のチームを後方から支えた主将は、注目レフティーのFW出口遼人(2年)やCB柏木雄太(2年)、左SB吉田開(2年)をはじめ、力のある選手たちが多い後輩たちに選手権初出場を託した。

「決めるところ決めて、次は悔し涙を流して欲しくないし、嬉し涙を流して欲しいです。上手さも、声を出すのも自分たちより2年でした。自分たちよりも上に行ってくれる」。大学でもサッカーを続けるという久保は、「ポジティブな選手やったら周りもついて来てくれる。もっと引っ張りたい」。次のステージでもポジティブな声でチームの雰囲気を高め続ける。

(取材・文 吉田太郎)
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