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強烈ボレー炸裂!! 敵将も舌を巻く帝京五の2年生MF武田健汰「全国に出て成長した姿を見せたい」

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帝京五高MF武田健汰(2年)

[11.3 高校選手権愛媛県予選準決勝 済美高 1-5 帝京五高 北条球技]

 豪快なボレーシュートがネットに突き刺さると、白黒縦縞の背番号8は激しいガッツポーズで喜びを表現した。「同点のPKが入った瞬間に、次決めれば勝てるなと思ったので、自分で決めることができてよかった」。そんな目論み通り、帝京五高はその後も3点を追加し、初の全国出場まであと1勝とした。

 主将のPKで1-1に追いついて3分後の前半31分、試合をひっくり返したのはMF武田健汰(2年)の一撃だった。持ち味の縦に速い攻撃で押し込み、こぼれ球が目の前に浮き上がると、ペナルティエリア際から左足を一閃。「GKが(相手から見て)左側に寄っていたので左を狙えば入るなと思って、当てる感じで蹴った」強烈なシュートを叩き込んだ。

 得点後の働きも出色だった。右サイドハーフで絶え間ない上下動を繰り返し、ドリブル突破とプレスバックで大奮闘。済美高の宮本敬士監督も試合後、「8番の武田がウチとしては嫌でしたね。あそこでタメを作られるのが。放り込んできて収めるだけならいいけど、あそこでリズムを変えられると厳しい」と舌を巻いていた。

 協力関係にある神奈川県横須賀市のライオンズSCから遠く愛媛の地へ。「自分たちで初めて全国に出たい」という思いでやってきた。「人間的に成長できているなと感じる。もともとコミュニケーションを取るのが苦手だったけど、ここに来てから少し楽に話せるようになった」。そんな2年生アタッカーにとって、首都圏で行われる全国大会は感謝を伝えるための舞台ともなる。

「全国に出て自分が成長した姿を昔の同級生だけでなく、スタッフなどお世話になった人たちにも見せたい」。

 また反骨心も一つのモチベーションとなっている。群馬の名門・前橋育英高は一時入学を志したが、最終セレクションで落選。「落とされてしまってから帝京第五に切り替えた。僕を落としたところなので全国で当たって勝ちたい」と意気込みを語る。

 その舞台に立つためには13日の決勝戦で勝利を挙げる必要がある。「ドリブルはもちろん、得点とアシストをして決勝に勝って必ず全国に出たい」。愛媛を獲って、関東凱旋。そのイメージはできている。

(取材・文 竹内達也)
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