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[MOM3647]東福岡MF大渕来珠(3年)_昨年C大阪U-23でJ3デビューも「ラスト1年は思い切って高校サッカーを」

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途中出場で1ゴール1アシストを決めたMF大渕来珠(3年=PLEASURE SC)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.6 高校選手権福岡県予選準決勝 筑陽学園1-2(延長)東福岡 ベススタ]

 赤い彗星が誇る高精度キッカーが2発を演出した。1点を先制されて折り返した後半から投入されたMF大渕来珠(3年=PLEASURE SC)は直後からセットプレーのキッカーを務めるなど、相手の脅威になり続ける。

 すると後半36分、右サイドからのCKを蹴ると、主将DF段上直樹(3年=アビスパ福岡U-15)の頭に合わせて同点弾をアシスト。そして2戦連続のPK戦も見え始めた延長後半8分にはFW林和喜(3年=吉塚中)のボレーがポストを叩いてこぼれたボールを左足で豪快に蹴り込んで、決勝点を決めた。

 利き足は右足だが、アシスト、そして得点ともに左足。「両方蹴れる」ことが最大の武器だと話す大渕は、「(監督には)自分の質の高いプレーで得点やアシストでゴールに結びつくようなプレーをしろと言われていた。アシストは自分が選手に合わせたら点が入ると思っていた」。決勝点の場面についても、「“やってやったぜ”という感じ」と笑顔で堂々と答えた。

 高校3年生にして、これまで大きな移籍を2度経験している。小学校3年生の時からサガン鳥栖の下部組織に所属。現在トップチームでプレーするDF中野伸哉らと同学年で、切磋琢磨してきた。しかし中学3年生の時に佐賀県の街クラブであるPLEASURE SCに移籍。高校からはセレッソ大阪U-18に進んだが、高校3年生になった今年、東福岡高にやってきた。

 背景にあったのは高校選手権への憧れ。昨年11月にC大阪U-23の一員としてJ3デビューも果たせたことで、区切りをつけることに決めた。「親もプロデビューしたらいいと言ってくれた。ラスト1年は思い切って高校サッカーをしようと思った」。そこで選んだのは強豪・東福岡。もともと福岡出身で、高校サッカーでプレーする姿を近くでみたいという家族の希望を叶えるために編入を決めた。

 卒業後の進路はプロを熱望する。「一番は国内でプロに進みたい。決まらなかったらドイツを考えています」。そのためにも「お正月にテレビで観ていて、いいなと思っていた」という高校選手権で活躍することで、プロの道を切り開きたいという野望を持つ。「今大会の初戦(○7-1近大福岡)は出ていないけど、僕が出ていたら10点くらい行っているんじゃないですか」とニヤリと言ってのける性格もプロ向き。勝負の冬に向かうため、14日の決勝は必ず通過点にしてみせる。

(取材・文 児玉幸洋)
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