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[MOM3652]帝京大可児FW永井斗梧(2年)_スピードや受け方の良さで攻撃にアクセント加え、今大会2度目のハット

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帝京大可児高FW永井斗梧は3得点の活躍

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.6 選手権岐阜県予選準決勝 帝京大可児高 6-0 大垣工高 長良川メドウ]

 テンポよくボールを動かしながら、相手の逆をとって前進していく帝京大可児高のスタイルの中で、FW永井斗梧(2年=刈谷ジュニアユース出身)の存在は異質と言えるかもしれない。武器は、50mを6秒台前半で走る俊足。技巧派が揃うチームの中で、彼の存在は良いアクセントで、相手にとって厄介な存在あるのは間違いない。

 実際、大垣工高との準決勝でも永井のプレーはとても効果的だった。最初に仕事をしたのは、開始早々の2分。右サイドでDF熊澤伶(3年)からのパスを受けた永井は、瞬時にギアを上げて、右サイドの深い位置まで突破。ゴール前に入れたクロスを、後方から走り込んだFW松永悠碁(3年)が頭で合わせた。

 幸先の良いゴールによって、以降のプレーには余裕が生まれた。永井は「今日は早めに1点が入り、周りが良く見えて落ち着いてプレー出来た」と振り返る。20分には、右サイドのMF三品直哉(3年)から中央の松永を経由したボールが永井の下へ。前向きでボールを受けた永井には、2人のDFが付いていたが、「自分がシュートを打つフェイクを入れたら、シュートブロックに入ってくれた」と冷静な判断で剥がして、ゴール右隅に流し込んだ。

 序盤から押し込む展開が続き、相手DFが引いていたのは、スピードタイプの彼にとって、やり辛かったのも事実だろう。だが、仲井正剛監督が「ミドルサードの所でスペースを取るということに関しては彼の良さ。感覚的な物を持っているので、動きに関してはある程度自由を与えている」と話す通り、狭いエリアを抜け出す感覚にも長けている。

 そうした良さが出たのは、2点目となった29分の場面。左からMF鈴木理貴(3年)のパスをゴール前で受けると上手くゴール前へ抜け出し、2点目をマーク。前半40分にも、鈴木からのパスでゴールネットを揺らし、4回戦の関有知高戦に続く、今大会2度目のハットトリックを達成した。

 小学4年生の頃から、右サイドハーフ一筋。高校に入ってからもなじみ深いポジションでプレーを続けてきたが、スピードを活かせずいた。インターハイ後に、Bチームに落ちる寸前だったが、持ち味を最大限活かすため、仲井監督は前線にコンバート。そこからはプレーに迷いがなくなり、活躍できるようになった。

 ポジションを掴んでからは、「岐阜県予選になると相手が守備を固めて、狭いスペース多くなる」と予想し、苦手としていた狭いスペースでの受け方を意識して練習してきた。そうした成果が、今予選になってから、実りつつある。

 刈谷ジュニアユースに所属していた中学3年次に、日本クラブユースサッカー選手権(U-15)大会に出場。永井は第2戦目のセレッソ大阪U-15戦に出場したが、「スピードは通用した部分はあったけど、フィジカル面が全く違った」と振り返る通り、思い通りのプレーが出来ず、前半のうちにピッチから退いた。その時からの成長を示すためにも、「次も勝って、全国の舞台に立ちたい」と意気込んでいる。

 目指すのは、卒業後の湘南ベルマーレ入りが決まっているMF鈴木淳之介(3年)と同じ、高卒でのプロ入り。そのためにも、「全国で活躍して、注目される選手になりたい」。準決勝同様の活躍が続けば、道が開ける可能性は十分ある。決勝でもチームを勝利に導く活躍を披露し、明るい未来を切り拓くつもりだ。

(取材・文 森田将義)
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