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[MOM3656]神村学園FW福田師王(2年)_また鹿児島から“新怪物”…大迫勇也の記録は「抜かないといけない」

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[11.7 鹿児島予選決勝 鹿児島城西0-4神村学園 白波スタジアム]

 九州から、そしてまたも鹿児島から怪物ストライカーの誕生だ。風下で戦った前半は苦しんだ神村学園高だったが、後半5分にFW福田師王(2年=神村学園中)がこぼれ球を押し込んで均衡を破ると、直後の7分には福田のアシストから“相棒”のMF大迫塁(2年=神村学園中)が加点。

 さらに後半27分には今度はお返しとばかりに大迫のクロスから福田が頭で合わせて突き放すと、トドメは後半31分、中央の混戦を強引に突破した福田が貫録のハットトリックを決めて、鹿児島県ではタイ記録となる選手権予選5連覇に華を添えた。

「前半は風向きもあって自分たちらしいサッカーはできなかったけど、後半から気を引き締めて神村らしい攻撃的なサッカーができたので良かった。ハットトリックはもちろん狙っていました。たくさん点を取って、圧倒して勝つことをいつも目標にしています」

 高校1年生だった昨年度はスーパールーキーとして注目された福田だが、今季はさらに凄みが増している。春に日本高校サッカー選抜の一員として参加したデンソーカップチャレンジで大学選抜を相手に複数ゴールを決めると、普段のリーグ戦を戦うプリンスリーグ九州では12得点を決めて現在得点王。そして夏のインターハイでは8強で敗れたものの、優勝した青森山田高のMF松木玖生と得点王を分け合った。

 今季の充実度は本人も手ごたえを十分にするところ。「ゴールへの意識が強まった。今は常にゴールしか見ていません」。今大会の得点数については、「たぶん10点くらい“しか”決めていない」と不満げな様子。強気な性格が何とも頼もしい。

 高校3年間を折り返したばかりだが、卒業後の進路については国内外の複数クラブが争奪戦を繰り広げている。福田自身もすでに複数クラブの練習に参加。「お話はたくさん頂いている。たぶん人生で一番悩むと思う」と今現在は全くの未定としたが、「最初は選手権の後でと言っていたけど、たぶん3年生の春に決めることになると思う」と決定時期を先送りして、じっくりと進路先を見極めていくつもりだ。「海外からも話が来ていますが、Jでしっかり活躍して海外に行くのが今の目標です」。

 今から13年前、第87回大会で当時鹿児島城西高のFW大迫勇也が記録した1大会10得点は、選手権史に名を残す大記録だ。福田はその記録の更新を十分に意識している。「同じ鹿児島県民として抜かないといけない記録。今年のチームはいい仕上がりが出来ていると思うので、全国で勝つためにまた一から練習していきたいと思います」。新記録樹立というゴールだけを見ながら、まずは冬の舞台を突っ走る。

(取材・文 児玉幸洋)
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