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[MOM3661]滝川二MF倉内晴久(3年)_公式戦ほぼ出場無しから、成長し、大舞台でチャレンジする選手に

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滝川二高MF倉内晴久は大舞台でチャレンジし、決勝PKを誘発

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.7 選手権兵庫県予選決勝 滝川二高 1-0 相生学院高 ノエスタ]

 選手たちの成長が優勝に繋がった滝川二高。その選手たちの中でも「とても成長してくれた選手」の1人に亀谷誠監督が挙げたのは、MF倉内晴久(3年)。倉内は、今のチームになってから今大会が始まるまで、公式戦ではほぼ出場機会のない選手だった。

 今大会では中盤の底に立っていた倉内だが、それまでその位置には1年生が立っていた。倉内は「中盤に入っているけれど、前を向いてプレーすることが苦手だという意識は中学時代からあった」という。

 その苦手意識が少しずつ変わり始めたのは、去年、亀谷監督が就任してから。「亀谷監督に指導してもらい、相手が来ていてもボールを止める位置や周りをよく見ることをより一層意識するようになった」が、それでもまだ出場機会は得られない。「1年生にポジションを取られ、悔しいという気持ちはあった。悔しいけれど、折れずにそれをバネにしよう」という思いから、「ひたすら努力し続けた」。

 そして今大会に臨む際、亀谷監督にプレー強度とボールを散らす技術がついたことを評価してもらい、ようやくそのポジションを勝ち取った。

 決勝戦では、持ち前の守備範囲の広さとハードワークできる運動量に加え、努力を重ねてきたボールを捌いたり、前へパスを出したりする場面も多く見られた。そして試合終盤、前を向いてプレーするのが苦手だったはずの倉内が、「相手選手が後ろに残っていなかったのでチャンスだと思い」、普段は出ていかないようなゴール前まで行き、シュートを打った。直接ゴールネットを揺らすことはなかったが、そのシュートが決勝弾に結びつくPKを獲得している。

 亀谷監督は、「本当によく成長してくれ、ボールを散らす技術もついた。今大会を通じて、それができる自信も持つことができただろうと感じている。相手の位置を確認しながら、恐れることなくチャレンジし、一度ミスしても続けてチャレンジできる選手になった」と倉内の成長ぶりを評価。倉内自身もまた、「今大会で成長できた」と感じている。そしてそれを「亀谷監督のおかげ」だと話した。

 全国大会までは、あと1か月余りある。「準決勝・決勝と、高い強度の試合をさせてもらった。この強度を練習でも保ち、積み重ねていきたい」(倉内)。

(取材・文 前田カオリ)
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