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[MOM3663]秀岳館FW古賀渓太郎(3年)_ シーズン途中からレギュラーに定着!頼れるキャプテンが7年ぶりのファイナルに導く先制弾!

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秀岳館高FW古賀渓太郎が先制弾でチームをファイナルへ導く!

[11.7 選手権熊本県予選準決勝 秀岳館高 2-1 熊本国府高 水前寺競技場]

 左足から打ち込まれた鮮烈な一撃がニアサイド上段に突き刺さる。ネットを揺らした後は迷わずゴール裏の応援席に駆け寄り、仲間たちとともに感情を爆発させた。

 「今シーズンで一番良くなかった」と段原一詞監督が振り返った熊本国府高との準決勝。ボールが繋がらず、秀岳館高らしいショートパスで崩す攻撃は鳴りをひそめた。

 4-3-3の最前線に入るFW古賀渓太郎(3年=FCソルーナ出身)にも、良い形でなかなかボールが入らない。それでもキャプテンはチームを信じ、ゴール前で何度も動き直した。そうした想いと裏腹に状況は好転しない。時間だけが経過し、前半は残り10分を切る。ここで指揮官が動く。

「相手の出方が分からなかったので、センターフォワードは裏に走らせるべきか、真ん中で受けさせるべきか見極められなかったんです。なので、最初は走れる古賀を真ん中に入れていたけど、サイドで受けた方がいいと思ったので、途中で左にポジションを変えました」(段原監督)。

 この配置変更が功を奏し、ファーストプレーでいきなりチャンスが訪れる。36分、左CB仁木悠真(3年)のフィードに、左サイドで構えていた古賀が反応。横から相手の右SB高山桜介(3年)が身体をぶつけてきたが、跳ね返して前に抜け出した。

 残るはGKのみ。古賀に迷いはなかった。

「PA内のシュートは左足で左上、右足なら右上を狙う。そこに思い切り打つだけ。ゴールは動かない。ミートさせて強く蹴ることを意識しよう」。

 普段の練習で取り組んでいる通り、左足を振り抜いてネットを揺らした。

 今でこそキャプテンを務め、チームの得点源を担う古賀。しかし、1月の県新人戦ではキャプテンどころか、レギュラーですらなかった。当時を振り返り、古賀はこう話す。

「新チームに移行した直後は試合に出られなかった。その後も苦しい時期が続いたけど、県新人戦が終わった後に外部コーチの教えを受け、どんどんプレーが良くなってきた。そこからスタメンで出場できるようになり、キャプテンを任されるようになったんです」。

 段原監督から「チームの元気印」と称される背番号9が、重要な局面で大仕事をやってのけた。そこには上手くいかず、悩んでいた古賀の姿はない。

 次なる相手は大津高。今季は県新人戦の準決勝、インターハイ予選決勝で敗れており、三度負けるわけにはいかない。「大津を倒せば全国でも通用する。大きな目標があるのでそこを超えて全国に行きたい」と言い切るストライカーは、決勝でもゴールを決めてチームを7年ぶりの選手権に導くつもりだ。

(取材・文 松尾祐希)

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